●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
もどきさん、あいまいを許す国民性を感じました。



本当は何色?


子供の頃、信号機を見て、「青だ!さあ、渡ろう」と言われ、手を挙げて渡っ

た。でも正直、信号機の色は緑に見えるのになぜ青なんだろう、と思っていた。

だがそのうち、『青信号』という言葉は慣れてしまい、今はなんとも思わなく

なっている。

考えてみれば、日本人はしばしば緑を青と言う。

緑色なのに「青りんご」、緑が生い茂っていることを「青々として」、緑色の

野菜を「青菜」と言うふうに。

日本語はあいまいで、例えば、「すみません」という言葉を 謝ったり、言葉

掛けにも、断りなどにも、いろいろな場面で使うのだ。

あまり納得できないけれど、名前と中身が違うのは世の常かもしれない。

話は飛ぶが、日本の政党の名前もなんだか正確に活動を表しているとは言い難

い。自由民主党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、日本共産党、国民民主

党、社民党、令和新選組、古い政党から国民を守る党と並ぶが、どれもいかめ

しく壮大だが、政策実行の段階になると、名前通りにならず、どうやらこれら

も名前と中身が違っていたりする。

そして最近気になることがテレビで報じられていた。

10月末の衆院選挙で、投票用紙に比例代表のところに”民主党”とだけ書か

れた投票用紙がかなりあったという。

ご存知のように、民主党と名の付く政党は”立憲民主党”と”国民民主党”と

二つある。

果たして、この”民主党”と書かれた投票用紙はどのように処理されたのだろ

うか。


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