10/11のしゅちょう 文は田島薫
(政治家との素敵なつきあい方、について)
女性フリーライターが仕事で知り合った衆議院議員に苦しいじぶんの生
活の原因などについて時間を作ってもらっては8ヶ月間にわたって質問
し対話した「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議
員に聞いてみた」って本が1万3000部売れて好調だ、ってことを知った
時、一般国民が国会議員に直接対話を申込んでも受けてもらえないだろ
うな、って先入観があったのが、そうでもなくてけっこう成功する方法
かもしれない、って思った。
なぜなら、議員にとって有権者は自分の身分を左右する力を持ってるわ
けだし、たった1人のそれでも、もし軽率に扱ったら、その悪評が広ま
る怖れがあるのだし、政治についての質問をされて答えるのは議員とし
て得意分野であるはずだし、自己アピールをするチャンスでもあるわけ
で、断る理由は多忙以外にないはずなのだから、ほんの15分いつでもい
いので、って頼まれて断ることはしにくいだろう。
この女性ライターの場合はすでにその議員と面識があったので、より有
利だったろうし、それがない一般人が議員と対話してみよう、ってなか
なか思うこともないかもしれないんだけど、巷には私も含めて、自民党
政治などに対して批判したりしてる人は多くいるのだから、外からそん
なことやってるより、直接意見を言った方がより効果的だろう。
そう考えて、じゃ、どういったことについてどう質問をしてどう意見を
言おうかと考えると、じぶんの考えの曖昧な部分はないかきっちり検証
しなければならないし、勉強も必要になるわけで面倒だからやめっか、
ってことにもなりやすいわけで。
ところが、この女性ライターは、まず、じぶんの不遇についての切実な
疑問から出発したせいか、ライターという技術もあるし動機に力がある
からか、疑問を素朴に議員にぶつけて行くと、一方的な議員からのレク
チャー状況になるんで、これが安倍さんや菅さんのようなタイプだと質
問自体がはぐらかされて自己アピール的レクチャーされておしまいにな
る危険もあるわけで、じぶんから質問の根拠になる資料を最低限作った
りしてるうちに全体像をじぶんで理解できるようになったし、問題提起
に感じ入った議員が泣いたこともあったと言う。
志しがある者ならだれでもそうやって議員への対話を求めることに意義
がありそうだから、とりあえず政治的意見がある者は地元の議員にそれ
を求めることをしてもいいし、それをイメージして準備をする努力だけ
で終わっても、じぶんの認識向上に役立つだろう。
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