1/18のねこさん 文は田島薫
ふにおちないパネ
パネとバットは家人が出かけるところを見つけると、すぐに後を追うもんで、
最近は、そんな時、私が一足先に外へ出て、パネやバットの前に家人を目隠
しするようにしゃがみ、頭を中心にブラッシングしてやると、ねこさんたち、
どうしても目をつぶることになるんで、家人はそのすきに見えなくなるとこ
まで急ぎ足する、って形にしてる。さっきも、日だまりでふたりがくつろい
でたんで、それをやってたら、家人に気がついたパネが少し動くそぶりをし
たのをなんとか頭ブラシでおさめたんだけど、も〜いいだろ〜、って事務所
に戻って窓から外見てみると、ふたりで、なんとなく家人が歩いて行った方
をじっと見つめてた。
ここあったかくて気持い〜んだよね、つってると、お、あの人があれもって
こっち来んね〜、こ〜ゆ〜時は、なんだか、あたりがあやし〜感じがすんだ
よな、ほら、ぼくの頭をこんこん、つって、ま、やな感じ、ってんでもない
から、やらしとくんだけど、なんだか、目のはじにおばさんが通った気がす
んだけど、今、目つぶっちゃったからわかんなくなっちゃた、あっちの方へ、
行った気が、あ、また背中こすられて、頭こすられて、ま、気持い〜、って
いや、い〜、から、ま、いっか、つってるうちに終了で、ぼくたちだけが、
ここに残されて、なんだか、あっちにおばさん歩いてったよ〜な気が…