1/12のしゅちょう 文は田島薫
(未来を創る若者たち、について)
たいていの人間は、大人になると世の中に対していろいろと批判的なことを
言ったり嘆いたりするもんで、私もそのひとりなんだけど、でも、世の中を
よくするためには、ひとりひとりが自分の生活環境のなかで、世の中のため
になりそうな自分にできることをやり続けることのはずなのだ。
それでも、なかなかそういった行動を実際にするのは、経済的な余裕やきっ
かけが必要なのだ、ってように考えたりしてるうちに、けっきょく、そうい
ったことはなにもしないことになりがちで、それでも、小さな善意のような
ことを心掛けるぐらいならだれでもできそうで、例えば、私もやってる道路
のゴミ拾いのようなことでもやってると、なんだか自分を過剰に評価したり
して、世の中でもっと大きな志を持ってがんばってる人たちを、気軽に、あ
んなんじゃだめだ、などと批判したりもできるわけで。
いつの世も、若者に向けられる目はたいてい厳しいものがあって、老人は、
自分の経験を過大評価しては、若者の志を無視することも多いようなんだけ
ど、たいていは、時代の変化の中で新しい科学技術を取得した若者の認識を
老人の理解が追いつかない場合も多く、そんな時に老人は若者に対してもっ
と謙虚になる必要があるわけだし、けっきょくのところ、志を持ってがんば
ってる者が年寄りでも若者でも、見習ったり敬ったりするべき相手に違いな
いのだけれど、創造性の高い老人たちがけっこういたとしても、いずれ新し
い発想を成長発展させていく大勢は若者なのだ。
先日夜中のラジオ聞いてたら、今年成人式という青年が出てて、少年の頃に、
火星に行くことを夢見て、そこまではよくある少年の夢なんだけど、それを
実現するために研究を始め、それにつながるエネルギー開発の段階として、
高校生の時に会社を立ち上げ、大学生の今、開発した二酸化炭素を集めるチ
ップを販売してて、ゆくゆくは温暖化の元凶である地球じゅうの二酸化炭素
を集めて、私は不得意の分野なんで忘れたんだけど、二酸化炭素をなんだっ
たかの物質と化合させると燃料ができるので、温暖化防止と同時にそれを実
現したいんだ、って。今まで火星旅行は帰りの燃料を積載できないために難
しかったんだけど、火星の大気のほとんどすべてが二酸化炭素なんで、その
燃料補給が可能になるのだ、って。
これを、そんなことできるはずがない、って言うのは簡単だけど、そう言い
切る根拠をたいていの老人は持ってないのだし、可能性は無限なのだ。