官尊民尊
君臨したのか、鎮座ましましたのか、安倍政治は7年8ヶ月と長期政権を保持した。
この政権をふりかえると、秘密保護法、憲法解釈を変更までした安全保障関連法、共
謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法を強引な手法をまじえ成立させたかと
思うと、国有地払い下げ問題にからむ森友、新学部認可をめぐる加計問題が発覚する
などかならずしも民意を尊重しているとは思えない強引な政権運営をおこなってきた。
しかし、そのつど国民から民意を問えという声があがるのだが、おかしなことにいざ
選挙となると参院選で3回、衆院選で2回快勝しているとはどういうことか。
いまの日本では、民意を国家権力がねじ曲げるということはないので、各々の選挙結
果は民意の反映であることはまちがいない。しかし、その判断が正しいかどうかは疑
問がある。
かなり前になるが、こんなことを読んだ覚えがある。
『日本は官尊民卑の社会といわれるが、近代化の主導権をもった官の権威や権力が大
きいから官尊になったのだろうか。民も卑しい心をもつから民卑の社会になったので
はないか。官が謙虚になると同時に民の側も自らの卑しさを捨てて尊い心をもつこと
によって官尊民尊の社会ができる』というのである。
安倍首相が引退を表明してから劇的に支持率があがった。国民はなにを考えているの
だろう。目先のことにとらわれ、自分の考えをもたず大勢に流されることを良しとし
ていると取り返しのつかないことになる。はたしてこの引用文が今回の民意批判にあ
てはまるかどうか疑問であるが、なにがしかの関連性はあらわしていると思うがいか
がなものか。 |