●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
もどきさん、マスクに欧米人と日本人との違いを知りました。



シリーズ WITHコロナの日々 (2)

マスクあれこれ


今年の4月頃だったか、マスク不足で大騒ぎ、どこの店を探しても買えなかった

ときのこと。

私は、アメリカ帰りの一人暮らし義姉が困っているのではないかと10枚ほどマ

スクを送ったのだった。

その義姉から「マスク届いた」という知らせの電話で聞いた話はなかなか興味深

いものであった。

「私はマスクを使う習慣がないの。セキやクシャミが出そうになったらハンカチ

で口を覆うのよ。アメリカではマスクをしていたら何かうつる病気を持っている

人とみなされ、寄りつかないからマスクはしたことないの」

なるほど、今、テレビでも欧米人はコロナが大流行していてもマスクをしていな

い映像を見ることがある。

その義姉が語ったことによると、欧米人のマスク嫌いには理由があるという。

欧米人にとって、コミュニケーションは、顔全体の表情や口の動きで感情を伝え

るからだそうだ。

日本人が口をマスクで覆っても、眉と黒目の動きで感情を示すことができるが、

欧米人は表情豊かで顔全体が重要なコミュニケーションツールなので、その顔を

覆うマスクは邪魔なのである。

でもそのくせ、欧米ではサングラスで目や眉を覆うことは平気で、逆に日本人は

サングラスを否定的に見る人が多いのである。

コミュニケーションの仕方がさまざまならタブーであることもさまざまというこ

とか。

さて、このたびのコロナ流行で今までの価値観や習慣が変わるかもしれない。

ウイルス感染予防のためには、マスクが不可欠となれば、欧米人も新たに目と眉

でコミュニケーションをとるのであろうか。


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