8/17のねこさん 文は田島薫
夜風のニケ
熱波や雨なんかもあった先週の夜中、外は少し涼しそうなんで、ベラ
ンダのブラインドを上げて外を見てみると、手すりの板造りで少し幅
広になった部分の向こう角にニケが寝そべって、夜風を受けていた。
いつもならすぐこっちに気がついて下りて寄って来たりするのに、そ
時はこっちにも気をとめる風でもなく自分だけで気持ちよさそうだっ
たんで、声をかけずにすぐブラインドを下げた。
いやいや、今夜はここ、涼しい風でサイコーだね〜、静かでさ、みん
なはどこ行ってんだろ〜ばかだね、ほら、空にはお星さまもきれ〜だ
し、木さんのゆれる感じもぼか〜大好きなんだよね。んん〜ん、いや
いや、まいったまいった、木の向こうにいくつか灯りが見えるのも、
なかなかい〜んだよね、ぼくはひとりぼっちじゃないんだ、ってわか
っからね、でも、こ〜、ひとりでいるのもなかなかい〜んだよね。い
やいや、まいったまいった。