8/11のしゅちょう
            文は田島薫

(核の傘のナンセンス、について)


今年も、広島と長崎の原爆忌に安倍首相は参列し、核兵器禁止条約を批准し

してないことに触れないで、それをしないのは米国の核の傘から抜け出るの

が恐い、ってだけのことなのに、核保有国と核兵器禁止条約批准国との橋渡

し役を勤めたい、などとそれを正当化し、核兵器廃絶に向けて努力してる、

って、いつもながらの実態がなんだかわからない美辞麗句を並べた。

それについては、広島、長崎、の両市長の提言が妥当なんであって、世界唯

一の被爆国であるわが国は率先して核兵器禁止条約を批准すべき立場のはず、

って言うのは、世界じゅうの人々の感想だろう。

核兵器廃絶に向けて努力したいんなら、まず、それをやって、米国始めとし

た全核保有国に核廃棄に向けた努力を求め、それに協力する活動こそが世界

の平和主義者が求める日本の役割のはずだろう。

ところが、そういったことを言うと、それに反対する連中がいるんだけど、

それはどういう連中かと言うと、北朝鮮や中国を敵視してる連中だ。

防衛力が弱いと北朝鮮や中国に国土を軍事侵略されてしまう恐れがある、っ

てことなんだけど、自分たちがかつて、それらの国にそれをやった加害の事

実については、美化しておいて、今や、相手国が同じことをするかもしれな

い、って恐れて過剰防衛に励んでる、ってことなのだ。

軍事侵略される危険性を感じてるのは、むしろ、米国から敵視された国々で、

実際、近年他国に軍事侵略を実践してるのはだいたいが米国なわけで、中国

や北朝鮮の核武装もそれへの防御とすれば当然のことで、核廃絶のためには、

そういった敵視と軍拡競争は愚かなこととして中止して、関係国相互の理解

と信頼と協力関係を築いて行くのが一番有効なのだ。

そういった政策をより積極的説得力持って遂行できる国として、日本は最も

期待される立場と環境を持ってるはずなのだ。

わざわざ、事実として世界の混乱の元になってしまってる軍事国家米国の子

分になって、周辺の緊張を高めちゃ無駄な軍事費を消費するよりも、きっぱ

り、核の傘は返上して、経済協力のようなことに精を出した方が世界平和へ

の貢献が早いんじゃないのか。

中国や北朝鮮に敵視じゃなく友好政策やってたとしても、それらの国が日本

に核攻撃をしかけることがありうる、って言うんだろうか「連中」は。


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