8/11のねこさん 文は田島薫
神社のミケが目をそらさない
先週の夕方、近所のドラッグストアに純水をもらいに行って来てやる、
って家人に言って稲荷神社のわきを少し登って行く家並みのひとつの庭
に、神社となりの家にベッドを持つミケが向こう向きに座っててちょう
どこっちにふり向いた顔と目が合った。神社の前にいる時に、よ、って
声かけても、近づくといつも逃げ腰で、いつも逃げてしまうんだけど、
私の顔は憶えてるようで、じっとこっちを不審そうに見つめて固まって
るんで、こっちもじっと見つめて相手が動くまで待ってみよう、ってし
てたらいつになっても時間が止まったようなんで、こっちが歩き出すま
ねして2、3歩歩いてから、またひっかえしてみると、まだねこさん同
じ姿勢のままなもんで、それを2.3度くりかえしてこっちの根負け。
いやいや、きょうは暑かったね〜、ここんちのここのへんがいっちゃん
すずすいんだよね、だからいまどきはわたいはここでしずかにすずんで
るつ〜わけなんだよね、ここのい〜とこは、だれもわたいのじゃまする
もんがいない、つ〜とこなんだよね、ほら、まわりをこ〜してみまわし
てみっと、おっと、だれかがこっち見てるね〜、あのいつものあやし〜
あいつだ、なんだなんだなに見てやがんだ、も〜こっちも、にらんじゃ
お〜、さ〜ど〜する、こっちへくっか?来たら、しょ〜ちしないんだか
んな、くるならきてみろ、ほんとに来たら、わたいがど〜すっか、わか
っか?逃げる、ってばれないよ〜にしとかなくちゃ、まだ、うごいちゃ
やばい、まだまだ、ほら、また見に来た。