6/8のしゅちょう
            文は田島薫

(自慢オヤジ、について)


新型コロナで海外で大量の感染者と死者が出てるのに比べわが国のそれは少な

くて済んでるのはどういうわけなんだ、って海外の記者などから質問があると、

麻生副総理は、あなたの国とは民度が違う、って言ってやってると、そうする

と相手は絶句する、って得意そうにしてるようなんだけど、それじゃ、どこの

巷にでもいるようなただの自慢オヤジじゃないか、相手が呆れてモノが言えな

くなった状況を、感服しました、って表現されたと勘違いしてるのだ。

一般の呑気なオヤジたちが、仕事場で立場上頭が上げられないストレスから解

放されて、何言っても心配ない相手に言いたいこと言ってるだけなら、さほど

の迷惑は広がらないかもしれないんだけど、海外の国々との関係を大事にすべ

き中枢の政治家が相手国をコケにするような発言や態度をすれば、やがて反感

の影響をわれわれ国民が受けなくちゃならないわけで。

一般の自慢オヤジレベルの思考しかできない政治家当人は悩みも感じず愉快に

過ごしてるんだろうけど、そういった人物の周りで真面目に物事を考えてる者

たちにとってはストレスの元だろう。

物事を明るく考えて実行する、ってことは悪いことではないんだけど、明るく

感じてるのが認識不足の政治家当人だけ、ってことになると、その発言やら政

策を実行するたびに、国民が不安になるのだ。

政治家が国民の窮状などをつぶさにわかってたら、それを解決することに神経

を集中して次々と手を打ったりして、時間がいくらあっても足りないはずで、

呑気にくつろいだり自慢してるヒマはないはずなのだ。

政治家としての自分たちの政策の自己評価が高く、いつも自分たちが都合のい

いように成果を認識しては、それからこぼれ落ちる底辺で大変な思いしてる国

民のことまで気がまわらないから、呑気で笑ってられるのだ。

もしも、政治はここまで親身にわれわれのことを考えてくれたのか、って国民

のすべてが感じられる政策努力が見えたら、たとえ結果経済が少々下降して平

均所得も下がったとしても国民のだれからも文句は出ないはずなのだ。

自分の見たい国のイメージだけ見て、他国に負けない軍備にばかり金をかけ、

国民の方へは余った小銭をばらまいて、それでなんとかなってんだろう、で済

まして、後は考えないようにして国のイメージづくりに戻って自慢だけしてん

では、その目論みが逆効果に軽蔑されるのが落ちなのだ。


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