6/22のねこさん       文は田島薫

バットが木のてっぺんに


先日の遅い朝、家人が近所に用事で出かけてる時、2階の窓から外見ると、

山桃の木のでかい枝がぐんと上へ伸びた、立ってる私の目の高さぐらいの

てっぺん、直径4〜5センチぐらいの細い枝の上にバットがいた。

シジュウカラを追って思わずのぼちゃったらしく、更に上の小枝のあたり

をまだ見つめてて、やがてけっこう高いとこにいる自分に気がついたらし

く、目の下の小枝に足をかけようとまさぐる動作をしたんだけど、枝は自

分の体1つ分より下なのに、片目のバットには遠近感がわからないらしい。

声をかけて気をちらさすのは却ってあぶないんで見守ってると、やがて、

一足一足、枝を慎重に下りて行って、地上に立った。


お、鳥さんがあそこにいて、わたいにつかまえてみろ、って言ってるよ、

おし、とととと、ってここ上がってって、ほら、も〜すぐそこだよね〜、

こっからは、少ししずかに近づかないといけないから、そ〜、っと、とと、

逃げたか〜、あれ?わたいはけっこ〜変な場所にいるね、なんだかおちつ

かない感じだから、ちょっと下に下りた方がい〜かも、こ〜、足を下に伸

ばして、あれ?変だね〜、下に見える枝になんでさわれないんだ〜??、

ま、いっか、じゃ、ここを下りてけばい〜か、ちょっとすべりそ〜だから、

少し、つめを立てて、こ〜やって、ゆっくりの方がい〜かもね。


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