6/15のしゅちょう
            文は田島薫

(社会システムの優先度、について)


新型コロナ騒動での緊急事態宣言などで、この何ヶ月か企業の働き方もテレワ

ークを増やしたりして都市の人出が激減したりしてたんだけど、それでも食料

供給や医療関係や、電気、水道、ごみ収集といった日常生活に欠かせない分野

の労働者たちは、コロナ以前と同じかより過酷な現場環境で働き続けているわ

けで、平常時には足りていた施設容量や設備機器や人員などが、今回のような

非常事態になると当事者全員が慌ててその不足や滞りを嘆いたりした。

元から、そんな事態の起る可能性はわかってるわけなんだから予め体制を整え

ておく方がいいに決ってるのに、わが国では、感染病対策に備えてた韓国の先

端予防設備のようなものはなかったし、運良く米国のような大量感染はなくて、

たまたまのぎりぎりで医療崩壊はまぬがれた、って状況のようだ。

それでも、韓国や台湾などのように初動対策がもっとよかったら、千人近い死

者だって出さないで済んだのかもしれないのだ。

で、こういった非常事態になった時に、国の体制の弱点がはっきりして来るわ

けだけど、今だに営業自粛者たちへの支援給付金が十分に迅速に届いてはいな

かったり、その状態をほっといたまま、もっとも前もって熟考や施策されてな

かったもんについて今慌ててやれることはないにしても、自民議員たちはボー

ナス満額受け取り国会の会期延長をやめて休もうとしてるようだし。

政治家たちが後は野となれ、ってほっておいて丸投げされて働く公務員や、下

請けの民間労働者たちや、医療従事者たちは、直接国民の不満や批判を浴びな

がら段取りの悪い仕事や過酷な仕事に消耗させられ続けるのだ。

こういった人間が生活する上で本当に必要で大事な仕事が、平時に敬意を持っ

て十分整備されてれば、すべての作業はスムーズに行われるはずなのに、政治

家や企業は、経済成長の数字ばっかりを重視して、いらない自動車やら、いら

ない高層ビルやら、軍事機器やらの生産や輸出に精出してる印象なのだ。

人が生活する上で大事なのは、健康でいられる安全な食料生産と供給、自然環

境を破壊しない方法による安価な水や電気の供給、環境保護を伴う自然素材に

よる住宅や生活用具の生産と供給、人々がいつでも体を動かしたりくつろいだ

りできる樹木並木の道や自転車専用道路や公園、十分な医療施設や、教育施設、

リサイクル施設、といったもんのはず。まずそういったもんを充実させて、後

のもろもろは心の余裕で生まれる、ってことでいいのでは。


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