7/16のねこさん 文は田島薫
パネとバットの雨宿り
先週末の小雨模様の朝、私が燃えるゴミを出しに行く時、わが家の前の道路の坂
の方にゴミが落ちてないかチェックに歩きながら中腹のだれかの家庭菜園風野原
の方を見ると、長い草の陰にパネとバットがいて、私を見て出て来た。とりあえ
ず、彼らをほっといてゴミ置き場にゴミを置いて帰って来るとふたり庭のあたり
でうろうろしてるんで、濡れちゃうから軒下に入りな、って言って私は家の中の
事務所に入ってからしばらくして庭に面した事務所のガラス戸の方を見ると、い
つの間にか、すぐ外に立て掛けた机の上にパネとバットがガラス戸に背中がくっ
つきそうに同じポーズで並んで座り小雨模様の庭の方を見てた。
いやいや、なんだかうっとーしー天気だね〜、じめじめしててさ、ここの草ん中
居心地い〜と思ってたんだけど、きょうはあんましよくないね〜、あ、あそこの
人が通るね、ちょっと出てってどっかい〜とこないか相談すっか?ね〜ね〜、あ、
の、つってるまにあっち行っちゃったね〜、さて、ど〜すっかね、向かいの屋根
のある下行くか〜?、でもあそこは前を人がいっぱい通ってゆっくり寝られない
んだよな〜、さて、つってるうちに、あの人が帰って来たよ、あのさ〜、あの〜、
つってついてったのに家ん中入っちゃったね〜、あ〜、あっちの部屋ん中に入っ
てったみたいだね〜、じゃ、そば行ってこっち向いたら相談すっか〜?ん〜ん、
ここでも、なんとか濡れないで済むこた済むね〜、雨はまだやまないのかな〜。