6/10のしゅちょう
            文は田島薫

(長生きのコツ、について)


私も同世代や年下でも死ぬ者がけっこう出て来る年頃になり、人の寿命について気

になるもんで、よくネットで有名人の死んだ年齢を調べたりするんだけど、20代ぐ

らいで死んでしまうロックやジャズや美術のスターがけっこういるし、そういった

世界では、貧しい者は不衛生な環境と栄養不足などで病気になったり、成功した者

もその過程で精神的不安の中で麻薬や酒やその他の不規則な生活を続けて身体をこ

わしてしまうことが多いようだ。

そういった傾向の環境の中で80才過ぎまで生きられる者はけっこう希で、たいてい

は60才前後で死んでしまう者が多いから、それだと私なんかはもう死んでていい年

なのだ。もっとも私はそんな有名アーチストとは違うんだけど。

で、やっぱり、そういった連中の生活環境を大げさに言って私なりにざっと検証し

てみると、早死にする者ほどたいてい結果的に乱暴な生活をしてたことになり、そ

れを避けるためには逆の生活をすればいい、ってことになるわけだ。

こう言っちゃうと、ごく当り前の話になり、バランスのいい食事に運動、毎日を楽

しむ精神的に安定した規則正しい生活、ってことになる。

そんなことはもちろん心がけてるけど、年取ると身体のあちこちに支障が出てくる

んだからしょうがないだろう、って言う者は多いはずで、その通りなんだけど、そ

れでも、私の経験で言えることは、もちろん私は今たまたまそれほど重大な身体の

支障がなくて余裕の気分だからなんだけど、身体にいい食品で栄養バランスはちゃ

んと取ったとしての前提で、とにかく毎日身体を動かす、のが基本だ、と。

そんなことわかってても動かせないでベッドで横になってるしかない者はどうした

らいいんだ、って言われたら、それでもなんとか動けるだけ動け、って言いたい。

それは苦しくてきついからそんなことやるぐらいなら死んだ方がまし、って言うん

なら、とりあえず、人にマッサージしてもらうことからでもいいはず。

もう、何度も例に出したことあるんだけど、わが家の近所に骨と皮だけで骸骨のよ

うな多分4〜50代の女性がキャリアのついた荷物を引いて駅からの行き来で歩いて

るのをすでに20年ぐらい見かけ続けてるし、友人の母親は90才近くで死ぬ多分20

年以上前、身体にシコリが出来ててがんかもしれなくて身体を動かすのが辛いんだ

けど、その方がいいと思いかまわず動き続けてた、って言うし、先日だって毎日段

々畑を昇り降りして農作業してる、って言う100才ぐらいの女性をテレビで観たし、

とにかく、人間、動いてる限りは死なないんだ、って言えそうなのだ。

だから、いきなり死ぬほどの無理をしちゃだめだろうけど、じっとして病気を悲観

したり車にばっかり乗ったりしてないで、老人でも病人でもとりあえず毎日、家事

したり歩いたり、やれることしてれば元気は徐々に出て来るもんなのだ多分。


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