5/20の日記          文は田島薫



よく見りゃ世の中病人だらけ


例によって先週も月曜に銀座画廊めぐりがあり日延べの火曜にココ通歌更新宴会に来

た尾形歌人は、前日の大量飲酒にかかわらず私にとっては隔週1回の大酒をいつもの

ように平然と平らげて帰ったんだけど、やはり、身体じゅう健康、ってわけにはいか

ないようで、白内障の手術をするとかしないとか。

歌人と同様、健康のつもりでほとんど医者の検診なんか受けたことのない私も、先日

の足の腫れでとうとう医者に行き血液検査を受け、先週のなかばに結果を聞きに行く

と、痛みはほぼなくなったものの腫れは完全に引いてはいないし尿酸値が高めで痛風

がほぼ確定したようだったんだけど、薬をどうするか聴かれ、飲みたくないです、っ

て言ったら、じゃ、痛くなったらまた来てもらうことで、ってことになった。

水曜は家人の出版社時代の年下の友人が遊びに来る予定だったのが、同居する母親の

体調がわるいので中止ということに、当人も神経症の治療受けてたばかりだし、わが

家の家人も今や全快してるものの、かつてそれで長年寝込んでいた。

私の友人たちの何人かもすでにがんなどで亡くなってるのがいるし、考えてみればな

んらかの入院手術を受けたり療養中の友人や家族は私を除きほぼ全員、って言えそう

で、高い尿酸値をほっとくと、腎臓などにも影響がでる、ってことなんで、やっと、

私も今後その仲間入りができそうな感じになってきたのかも。

そんなこと感じてる昨今、元気な小学生たちが連日わが家に居ついたねこさんたちと

遊びに来るんだけど、それを庭にほっておいたまま、木曜は2番目の最寄駅までパン

を買いに行く家人につきあい、家人がパン屋で物色してる間、私はまだ腫れてる方の

足をスニーカーから出して休めたりして。

われわれが家に居ると放課後など子供たちが入れ代わり遊びに来て山桃の木に登った

り、なじみになった子は上がって、家人に飲み物をもらったり。

そんな時、親のことを聴いてみたら、ひとりの父親は神経症で自宅療養中だと言うし、

もうひとりの父親はいん頭がんで、その妹は余命宣告された病人だ、って。

私の子供ぐらいの年齢のはずの父親たちがそんな病気になってることが多いのがどう

もわが国の厳しい労働環境の現状のようなのだ。

そんな話をたあいない口調で話す子供ふたりが、エレキギターを弾いてみていいか、

って聴くんで、アンプにつないでちょっと弾いてやったら、スピーカの前で興奮した

ように大喜びしてるから、ひょっとすると将来ロックンローラになるかも。

日曜、レンタルDVDで私が撰んだベルイマンの「野いちご」を何10年ぶりかで観た。


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