5/20のねこさん 文は田島薫
パネかたまる
わが家に居ついてるねこさんたちの中でパネが一番落ち着いてて堂々としてるよ
うに見えるんで遊びに来る子供たちはボスと呼んでいるんだけど、先日庭からね
こさんの叫び声がするんで2階の窓から見てみると、道路の方から入って来た黒
ねこさんが山桃の下で寝転がってたパネに盛んに叫んでて、パネは頭をのけ反ら
せながら固まってる模様。しばらくしても、パネは同じ姿勢で黙ってるままなん
で、黒ねこさんの方も黙ってしばらく思案してから、ちょっとパネから間合いを
とったコースでゆっくりとごはんの置いてある玄関の方へ歩いて行った。
あ、なんか、よそもんの黒いのが入って来て、ぼくになんか怒ってるね〜、なん
なんだろ〜ね〜、今にもこっちへ飛びかかって来そうな感じでこわいね〜、もし、
そ〜なったら、ど〜すっかな、まてっ話せばわかる、って言おうかな〜、そんな
ヒマないかもな、そ〜したら、やっぱ逃げるかな〜、いやいや、そ〜すっと、み
んなから、な〜んだ、あいつは弱いんじゃね〜か、って思われちゃうな〜、じゃ、
ここは、がんばって、こっちも、こんにゃろっ、ってネコパンチしてやっかな、
よし、ここは一応そ〜ゆ〜方針、ってことにして、むだな争いはやめた方がい〜
ぞ〜、って顔をして、ごはん食ってもい〜ぞ〜、って顔をしてやっか、お、なん
だか分かったみたいだね、いかったいかった。