3/11のしゅちょう
            文は田島薫

(パワハラが起きる原因、について


セクハラやパワハラが今日日常的に取りざたされるのは、世の中に頑固者が増えた、

から、ってわけでもないような気がするのは、そういったことの起きる原因のひとつ

にそういったハラスメントを起こす側のされる側に対しての優越意識があるとすれば、

歴史的にも封建主義の時代で言えば、位の上の者が下の者に何でも好き勝手に命令し

ても普通のこととしてだれもが受け入れてる状況が続いてたわけで、それが現代でも、

企業内や企業間の力関係で同じようなことは行われているわけなんだけど、それにつ

いて、あまりに理不尽だったり人道に反するんじゃないか、って感想を昔よりかは表

現しやすくなった、ってことなんだろう。

他に対する優越意識がパワハラの原因、って結論を言ってしまったんで、話は終わり、

ってことでもいいんだけど、それじゃ、だからなんなんだ、ってことになるんで、も

うちょっと話を展開するとして、その優越意識持ったやつはいけないね〜、って他人

のこととして済ましちゃうんでなくて、実はそれはだれでもどっかにそれを持ち合わ

せてるもんだ、ってことを個々が自覚した方がいいのだ。

じゃ、優越意識を持っちゃいけないのか、って言うと、それは自然な感情なんだから

持つのはしょうがないとして、それの限界を自覚する必要がある、ってことなのだ。

第一、何かのテーマでそれの勉強なり訓練をしてる者が他のだれかより自分の方が上

だ、って感じてるだけじゃそれより先の進歩は望めそうもないのだし。

それに、たいてい人は自分に対しての評価が他人に対してより甘くなる傾向があるん

で、自分が思ってるより他人は能力を評価してくれてないことの方が多い(これは私

自身の経験から)わけで、それを自覚してないと、なんでこの有能な自分の意見にこ

いつは逆らうのだ、って怒ったりすることになるのだ。

それが友人関係だったら、立場がほぼ同等で、お互いに自分の方が正しい、って言い

合うことができても(これもけっきょく不毛なことが多い)、利害のある上下関係を

自覚する双方では、一方的な物言いや力を行使されて下の立場から見るとパワハラを

受けた感覚になりやすいのだし、上の立場からは、パワハラした自覚がなくて、有能

な自分が正しい判断と指示をしただけだ、って感じてることが多いわけで。

だからわれわれはどういった人間関係であっても、自分の方が相手より優れてるんだ、

って思い込んだまま気軽な物言いなどをしてると、逆に能力を疑われることの方が多

いのだから気をつけて、どんな他人の意見にもとりあえず謙虚に耳を傾けた後、それ

を言下に否定せずに、よく考えてから自分はこう思う、ってだけ言うのがいいのだ。


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