2/25のしゅちょう 文は田島薫
(頑張らないよさ、について)
世の中、あらゆる分野ですごい業績を残した人々はたくさんいるわけで、われわれ
庶民も、できればそういった人々の仲間入りしたいもんだ、って考えて日々頑張る
のは悪いことではないだろう。
何か追求したい好きなものがあって、ほっておいてもどんどん研究なり勉強なり訓
練なりを寝る間も惜しんでどんどんやってしまい、もっとやりたいのに時間が足り
ないくらいだ、って言うんなら多分心身が十全に働いてて健康にもさほどの害はな
いか却って健康増進しちゃうかも。
事実そういう人は昔からいて、平均寿命が50才ぐらいだった江戸時代にその倍近く
長生きして絵を描き続けた葛飾北斎みたいなのはいる。
それと逆に天才的な仕事をしながら短命だった人々も多くいるわけで、そういった
人々は芸術家に多いようで、その理由は様々なんだけど、一番多いのが、経済的な
貧しさの中でなかなか仕事の成果を世間に認めてもらえない精神的ストレスや不規
則な乱暴な食生活などで病気になってしまうような。
そういった後に有名になる天才のような人でさえ、心労などでそういうことになっ
てしまうことがあるのだから、元々そんな才能など持ち合わせてないだろうわれわ
れが、そういった業績のようなことがなかなか思うように成し遂げられなくても当
り前のことなんであって、業績などを意識し過ぎてストレスを抱えるようなことが
あるなら、つまらないことだろう。
何か未知の仕事にもし挑戦するんであれば、可能性があるならそれを信じて自分に
できることを積み重ねてればいいだけのことで、失敗を恐れて身動きできなくなっ
たり、精神錯乱のようになって倒れるまで無理を重ねるのは馬鹿げたことだろう。
健康第一、安全第一、って標語は普遍的真理なんであって、時には手を抜けるとこ
ろは抜いてゆっくり休んだ方がたいていの場合、結果はいいのだし、気軽に口にさ
れる、死ぬ気で頑張れ、って標語には多分問題がたくさんあるのだ。
第一、無理して全身で力んでも人の能力は十全には働かないものだし、平常心で楽
しむ、ってところに継続する力が生まれやがて神業が生まれるのだから。