11/25のしゅちょう
            文は田島薫

(非寛容の非力、について)


中東やアフリカやアジア各地で紛争は続いてて死傷者や難民も増え続けてるのに、

欧米やわが国のような物質的先進国では、平和な世界のように見えるんで、そこ

に住む生活環境がよほど劣悪な者以外のほとんどは、そんな紛争世界は自分たち

とは無関係のように感じていて、わが国の安倍政権なども、その平和を守る、っ

てことに関しては意識してるらしく、国防、ってようなことを強調しては、武装

大国の米国と軍事同盟を強化したりして隣国を敵視し続けている。

ところが、そうやって隣国を敵視しつつ軍拡に励むことは軍拡のいたちごっこ、

ってことになるわけで少し考えればすぐわかる愚かなことなのに、それが懲りず

に続いてるのは、それで儲けて喜んでる軍事産業とそれとつるんだ政治家たちの

せいなのだ。軍事産業の連中はシリアなどの海外の紛争なんかも大歓迎で武器を

売り続けてるもんで紛争もエンドレスのようになるのだ。

その武器が使用されて住居や病院や公共施設まで破壊されたり自ら破壊したりし

て国土が荒れ放題になっても知ったことじゃない、って顔のシリアのアサド政権

などは自国民の幸福について本気で考えたことがあるのかどうかも疑問だ。

他国や反政府組織を敵視しては安易に軍事攻撃をすればいい、って考えてる為政

者は多分何百年経っても平和な世界作りに成功することはないだろうし、仮にそ

れが成功する時は、相手への敵視をやめて平和交渉を始めた時なのだ。

なのに、それがなかなか実現しにくいのは、いろいろなへ理屈をつけては武器商

人たちの意に沿ってしまう人々のせいなのだ。

自分が安全な場所にいてそれさえ守れれば他国の他人が何人も死んだりどんな悲

惨なめにあってても知ったこっちゃない、って言ってるのと同じ態度を国を上げ

て実行してることになるのだし、その政権を支持する国民もそうなのだ。

広島、長崎を訪問したフランシスコ教皇も言ってる、核兵器を始め軍拡は人類に

なんの幸福ももたらさない、って言うのは真理だし、それは子供にもすぐにわか

る理屈なのに、それを曇らせるのはずるい大人の武器商人たちとその一味のイン

チキ宣伝と、それに賛同してしまう非寛容な人々のせいなのだ。

安倍政権も今回の韓国との関係改善に、いつも上から目線の我田引水なことばっ

かり言ってないで、もっと韓国側に対して敬意を示した妥協も必要なのだ。

話は唐突なんだけど、先日わが浦和レッズとサウジアラビアのチームとのアジア

チャンピオンリーグの決勝があり、レッズは惨敗して、サポーターたちは私も含

めて悔しい気分だったんだけど、もし気持ちを切り替えられて、ラグビーのノー

サイドのようにサウジのチームの健闘にサポーターたちがみんな賛辞の拍手をす

る、って状況を夢想したら少し感激で泣きたいような気分になった。

それができた時、多分双方の敵視感は消えて双方が少し幸福な気分になるだろう。


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