10/7のしゅちょう
            文は田島薫

(非核化の常識、について)


イランや北朝鮮の核開発について、米国が中心になって批判し、それを止めさせるこ

とを目標に経済制裁を続けてて、それに対しイランや北朝鮮は反論したり様々な武力

的抵抗をしてアピール活動をしているわけで、先日の北朝鮮の海上からのミサイル実

験にしても、長距離ミサイルがまだ未開発と見て安心してる米国へのメッセージなわ

けで、それに対してあまり米国大統領が動じてない態度は理性的で正当なもんだと思

うんだけど、米国と同盟関係を進めてる安倍政権下のメディア一般が、過剰に北朝鮮

を危険な挑発だ、だとか、非核化をさせない限り危険だ、などといった言説を極当り

前のことのようにくり返してる。

これはわが国のメディア全体が米国の側について無自覚に自己本意的思考に固まって

しまってるせいであって、イランや北朝鮮の側に立って、公平に主張を比べてみれば、

どっちに正当性があるのかはすぐにわかることなのだ。北朝鮮が核兵器やミサイル開

発してるのは、武装解除をさせられた後軍事攻撃されて政権壊滅させられたリビアや

イラクのようになりたくないからの当然な行動なのだし、その実験がそのまま攻撃に

移行することは、自滅を招くだけなのだから、よっぽど追い詰めて自暴自棄にさせな

い限りありえないことはだれでもわかるはずなのだし、逆に米国の軍事産業などはそ

の事態を誘ってるのかもしれない、って考えたら、わが国は米国の言いなりに沿って

ばっかりやってる現状は却って危険かもしれないのだ。

だいたい、核軍縮を口では言いながらそんなふりをしてるだけで、米国は今だにより

高性能の核兵器の開発を続けてるのに、他国にはそれの廃棄を求めてる、って矛盾は

だれが見てもあきらかなのに、そこを批判しないで自分たちには当然の権利のような

前提で、イランや北朝鮮に対し一方的に批判してるのはおかしなことだろう。

非核化は米国始めあらゆる核保有国がすべきことなんであって、自分のことは棚にあ

げといて非核化非核化、って騒ぐのは馬鹿げた主張だろう。

それを他国に要求するなら、まず自分のとこが核実験を一切止めて、盛大な量の核兵

器廃棄を見せてから、北朝鮮が要求する非核化条件の体制保証も当然認めた上に、経

済援助もたっぷりつけて「お願い」するぐらいが礼儀なのだ。

それを、米国の核の傘なんかからとっくに出て、核兵器禁止条約に批准して、日本国

憲法第9条を世界に広める外交に専念し戦争のない世界作りをリードして行くべきは

ずの政権やメディアこぞった今の体たらくから、一刻も早く目覚めるべきなのだ。


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