10/15のしゅちょう
            文は田島薫

(危機管理の基本、について)


今まで経験したことのない大雨と強風の大型台風が来る、って警戒警報がされてたの

に今回のそれによる各地の川の氾濫などで70〜80人ぐらいの犠牲者が出た。

最悪、東京23区の多くが水に浸かるかもしれない、って予想もあったんで、そうなっ

たらそれにはとても対処しきれない状況になった可能性も高いんだけど、ま、そんな

ことにはなるまい、って方に賭けてた人も多くいたかもしれないし、自宅は危ない、

と自分に可能な安全な場所を考えて避難してた人も多くいたはずだ。

よく言われることではあるんだけど、最悪の状況を想定して対処するべきだ、って言

うのが基本なんであって、まさかここまで水は来ないだろう、ってような判断はたい

てい当ることの方が多いかもしれないんだけど、外れる場合もあるのだ。

そうなったら、そうなったでしょうがない、って言うのは簡単なんだけど、そう言う

当人はどっかで、自分にそんなことが起きる気がしない、って思ってることが多そう

で、実際に被災した人々が口にするのを聞くと、ここに何十年生きてきたけどこんな

ことは初めての経験だ、とか、まさか自分の身にこんなことが起きるなんて思いもし

なかった、などと言うから、実際にそうなった時に、十分できる対処をした上での建

物などの被害は仕方ない、ってあきらめがついても、身内の命が失われたりした場合

などには、なんとか避難する方法はなかったかと必ず悔やむことになるだろう。

そんなことになるのがいやだったら、天災に限らずあらゆる場面で、できる限り普段

から自分たちの身を守るのに必要な対処をしておくのがいい、って当り前のことなん

だけど、例えば、車に乗ったらシートベルトを締めるのを面倒がったり、通い慣れた

道でもスマホや電話しながら運転したりすれば、それだけでも危険度はぐんと上がる

ことを忘れないようにするのがいいのだ。シートベルトなしだと衝突などの時の死亡

率が抜群に上がるのだし、よそ見で人を轢いちゃう事故も多いのだから、今までそう

いうやり方で一度も事故に遭ったことがない、って感じてても、それはたまたまそば

に危ない車がいなかったり、道路をはみだして歩いてる人がいなかった、ってような

状況が続いてた、ってだけのことなのだ。

健康についてだって、真剣に考えてる人々は危険性を指摘されてる食品添加物入りの

食品はできる限り避けてたり、病気に直結する栄養バランスの管理だってできる限り

努力してるのだ。

そして、医療保険に入ることが健康管理の基本じゃないのは、世界平和の基本が国際

親善であって、自国の軍備拡充がそれの基本じゃないのと同様なのだ。


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