1/28のねこさん 文は田島薫
よそもんうしねこ
先日の昼間、庭の方でちょっとざわついた空気を感じて、ちがうねこさんが来てる、
って家人からの報告があったんで、外へ出てみると、毎晩玄関前のキャッツハウス
で寝泊まりしてるニケとむん以外の、気まぐれに現れるパネとバットのために道路
際に置いてあるごはん容器のそばのコンクリブロックの上に黒白柄のでかいうしね
こさんが乗っていて、ニケとパネがそれぞれ離れた場所からそれを見てる。
うしねこさん、ちょい薄汚れてるにしても、太ってるから食い物に不自由してるわ
けでもなさそうなんだけど、なにやらごはん容器のそばを離れない。ごはん容器は
今、風にとばされないように石でふたがされている。ニケとパネは、少し困ったよ
うな顔をしてうしねこさんの動きを見張ってるんだけど、私に気がついたうしねこ
さん、慌てて向こうへ小走りしてった。
よいしょ、って、ここにごはんがたいてい置かれてんのおいら知ってんだよな、お、
ここらにいるやつらがおいらを見てんね〜、おいらを追い出したい、って思ってん
のかもしんないね〜。ところが、そ〜はいかないんだよな。おいらだって、ごはん
食える場所見っけたら、ぜひそこで食いたいっ、ってことに命かけてんだかんな。
なめんなよな、わーったかばーろー、ほらほら、おいらの迫力に、みんなびびって
やがんね〜、へっへっへ、しっかし、ごはんの上になんか乗っかっててこれだと、
ごはんがあっても食えないね〜、こいつらはど〜やって食ってんだっけ。だれかが
来て、これをどけてくれんのかな、そーすっと、おいらはそれを待ってればい〜の
かな?いや、まてよ、ここの人はこいつらと、おいらとどっちの味方かな、おーっ
と出て来たー、とととと、って逃げちゃうおいら、あ〜、そ〜ゆ〜ことね。