●連載
虚言・実言 文は一葉もどき
横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
もどきさん、気分転換したら、なにか閃いたようです。
営業時間
最近、近所に小さな喫茶店ができた。
目の前にある公園の木立を眺められるように窓際にカウンター席が並び、
奥にボックス席3つほどのこじんまりとした店。
早速、お使いへ行った帰りに寄ってみた。
カウンター席に座って、ぼんやりとコーヒーをすする。
最近、なんだかやる気が出ないなあ。
稽古事も外出も億劫だし…
掃除、洗濯、食事づくり、めんどくさいし…
でも、主婦って生活している限り休めないんだよなあ。
あ〜あ、旅にでもでたいなあ〜
この私がこんなに落ち込むのは、夏バテ? 夫の介護疲れ? もろもろの心労?
そんなことを考えながら、店のメニューカードを見るともなく見ていたら
最後の所に目がいった。
営業時間:11時〜20時
なるほど、こんな小さな住宅街にあるのだから妥当だろうな、と思った。
そこで私は閃いた。
そうだ、主婦業の私も営業時間を決めよう。
営業時間:7時〜9時。12時〜2時。4時〜8時。
あれ、これでは今と変わらない。では、いっそのこと、
営業時間:8時〜疲れるまで
はどうだろうか。