9/25のねこさん       文は田島薫

ねこさんたちが待ってた


1週間家人と旅行へ出かけてる間、近所の奥さんにねこさんたちのごはんやりを頼ん

でおいたんだけど、帰って来てお礼の菓子を渡すと、山盛りやったごはんが毎日空に

なる、っておどろいてた。で、その足で家に着くと、玄関前から明らかにわれわれに

向けたねこさんの声が聞こえる。そばまで入って行くと、もう、パネが足元で身をこ

すりつけてないてるし自転車の影から片目のバットまでなきながら出て来た。さらに

どういうわけか、道路の向こうからパネに似た新人のねこさんまでないて立ってる。

家人が最後の袋からあるだけ出してあげてると、やっと声がしなくなった。


なんだかここんとこずっと、朝しかごはんが出ないんで、腹へっちゃってさ〜、前

なら来るといつでもここのおばさんがごはん出してくれんで、安心してどっか遊び

に行けたんだけど、今じゃ、朝ちょっと遅く来る、て〜と、ごはん入れはすっから

かん、ってことになっちゃってるもんで、ここを動けなくなっちゃったんだよな、

そのうち、同じ気持のやつらも集うよ〜になっちゃって、腹へってるもんだで、ケ

ンカする力もで出なくてよ〜、なんだかみんな仲良しになっちゃってさ〜。お、お、

やっとここのごはんおばさんたちが帰って来たぞ〜、さ〜、みんなで、お出迎えの

声あげよ〜ぜ〜、ごはんにゃ〜ごはんにゃ〜ごはんにゃ〜ごはんにゃ〜


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