5/14のしゅちょう
            文は田島薫

(医療費がタダの国、について


先日12年前に作られたマイケル.ムーア監督の「シッコ」を観て、米国の医療界の利益

優先主義の非人道性にあきれたんだけど、公的医療皆保険制度にトランプ大統領と共和

党が反対して現在でもその改善はされてないようなんで、内容の概略をご紹介。


国民の四分の一が医療保険に未加入。指を2本切断し、手術費用が薬指が1万2千ドル、

中指が6万ドルと言われ、中指をあきらめた人や、中流の所得なのにが医療費が高額の

ため家を売って豊かでもない子供の家の世話にならざるおえなくなった夫婦。複雑骨折

してるのに入院費が払えず強制的に追い出され路上に捨てられる人。

加入者についても、たとえば複数の医療チームが治療の必要を言ってるにもかかわらず、

保険会社がそんな検査や手術は不必要とし保険金の支払いを拒否され死んだ人。交通事

故で意識不明で病院に運ばれたのに、救急車が使用される場合は事前の連絡がなければ

保険は適用されない、って言われたり、命にかかわる場合でも十分な検査治療を認めな

いことに同意し、それによって多額の献金を得て昇進した医師がいたり。

一方の国々では薬がなんでもタダだったり、いくら量をふやしてもわずかな金額の定額

だったり、米国で1コ150ドルする薬がキューバの薬局では5セントだったり。

公的医療皆保険制度をやってほぼ医療費がタダの国である、フランス、イギリス、カナ

ダ、キューバに取材すると、共和党などが社会主義だ、って言い、劣悪な医療機器で、

何週間も待たされる、ってようなデマと正反対の現実があって、待ち時間はほとんどな

いし、キューバでも最先端治療もほぼ無料、医療費の支払いについて聞くと、どこでも

不思議そうな顔で笑われたり、フランスなど、逆に交通費を患者に返してたり。


といった風に、利益優先の社会である米国をそれらの国と比較して批判してるんだけど、

米国の追従国であるわが国も似た傾向があるんだから他人事ではない。

テレビなどのメディアで始終流れてる衣食住などの社会環境の情報は、たいていは格差

の上半分である余裕のある層に関するもので、下半分の層には、おいおいい〜気なもん

だぜ、ってようなもんばっかりなわけで、そこへ、医療や老後の環境を考えたら、すぐ

に悲惨な状況に陥る危険性はそういった層のだれにでもあるのだ。

自動車も持ち豊かそうな物にいっぱい囲まれてても、不安を抱えたまま四六時中働きづ

めでやっと生活をこなしてる国と、少し物には不自由だけど、命を守る基本はだれにで

も十分に保証されてるようなキューバなんかとどっちが人間幸せだろうか。


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