11/19のねこさん 文は田島薫
気をゆるさないむん
最初みんなでわが家の玄関来て、わが家が出す安いねこごはんをせっせと食ってたの
に、いつも時間に来て食うのはむんとニケだけで、パネやバットやグレも、さほど顔
を出さなくなったのは、どっかでもっとうまいもんをもらってるからのようだ。
先日の夕方、稲荷神社奥の家の奥さんが、わが家の2階の居間を時々見上げながら、
前の道路でねこさんたちにチューブ状のごはんをやってるのが見えたんでそばへ行っ
てみると、レジ袋一杯のその高級ごはん(賞味期限切れ)を差し出して、近所の人か
ら頼まれたんで、ねこさんたちにやってくれないか、って言うんで、ぜいたくを憶え
させたくないから、って一旦断ったものの、ま、少しづつならい〜か、って受け取り、
後で、家人が試しに出してみると、ニケは猛烈に張り切って喜んでるんだけど、むん
は、くんくんにおいをかいでからしばらく無視したりてるのを、それでも家人が勧め
てると、やっと、ちょっとづつなめちゃ、考え込んだりしてる。
やや、なんだかおばさんがなんか手に持って変なもん出してんね〜、なんだなんだ、
気味わり〜、にょろにょろしててさ、まさかなんかの、んこ、じゃないよね、え?こ
れを食え、って?むりむり、かんべんしてよね〜、ん?んこ、じゃないみたいだね、
食いもんのにおいはするね、けっこ〜うんまそ〜なにおい、っちゃ、うんまそ〜な、
まてよ、そこがあやし〜、なんで、急にそんなもんを出してくんの?これを、なめて
みると、いきなりわたいは眠くなって、どっかに売り飛ばされちゃうんじゃないの?
だとやばいから、眠くなる前に止めるよ〜に、ちょっとだけためしに、なめてみっか。
え〜と、ぺろっ、ん〜ん、まずくはないんだけど、なんだかドキドキすんね〜、ん〜
ん、眠くなってないよね、じゃ、も、ちょっとだけなめてみっか、ぺろっ。