10/15のしゅちょう
            文は田島薫

(敵視についての自戒、について


私はずっとここで自民党政権による中国や北朝鮮などに対する敵視政策について批判

して来てるんだけど、じゃ、自分は日常生活で、そういった敵視意見を持たなかった

のか、って言えば、議会での野党がやってるのと同じように自民党に対しての批判が、

その問題の「敵視」と同じじゃないのか、って言われたらそうかもしれない。

罪を憎んで人は憎まず、って言葉があるけど、まず、相手を罪人だ、って決めつける

ところに、じゃ、そう言うあんたは?って聞かれて、自分は正義の側だ、って自信を

持って言い切れるかどうかは考える価値があるだろう。

世界の紛争や戦争の起こる原因は双方が自身のそれを信じて相手を敵視するためだ、

って考えれば、われわれ人類は全員もっと大人になるべきなのだ。

自民党の目前の原発再稼動や軍事産業を含めた大企業支援などの経済効率優先政策は、

今後の危険性などについて議論をぬきにすれば(ぬきに考えることがいいとは思えな

いにしても)、とりあえずの経済成長や雇用状況の利点はあるわけで。

問題はその恩恵に浴してる層と、それの犠牲になってる層が2極化してることで、た

とえば、なんとか家族が食って生活することはできても雇用環境が劣悪で、家族のだ

れかが健康でも崩したりした時に貧困層はダメージが大きかったりするわけで、それ

でも、わが国は物質的には余裕があるんでとりあえず飢えたりする層はなさそう、っ

てことが、逆に問題の深刻さを隠してるのかも。

自民党だって、そういった層への福祉政策はたくさんやってるつもりだろうけど、そ

のバランスがどうしても大企業の方への眼差しが第一でいつも貧困層への視点はいつ

も不十分なのだ。それでも、豊かさのパイが大きいからできる福祉政策もそれが小さ

くなればもっとできなくなるんだ、って脅しもあるようで。

国民はそれをウのみにして、たとえば野党が政権を取ると経済が傾き、富裕層ばかり

か貧困層もさらに貧しくなるんじゃないかと心配する。

野党の経済界に対する管理や政策能力はたしかに自民党より不馴れな部分はあるはず

で、そういった部分はもし政権を取ったなら協力してもらう姿勢も必要だろう。

だから、野党も自民党議員の揚げ足取りに精を出したり、個々の人格否定のような敵

視発言は少し慎んで、相手が自民党でも、その一部の能力について敬意を表わす方が

いいだろう。自民党議員にだって国を混乱や戦争に導くことを望んでいる者はいるは

ずはないのに、知らずに危険な方向に向かわせる原因は敵視の蔓延なのだから。


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