9/4のしゅちょう
            文は田島薫

北朝鮮の正当性と日米の不当性について


先日の朝、北朝鮮がミサイルを発射した、って警戒情報が流れ、国民は安全な場所に避難す

るように、ってような、メディアこぞってあたかも北朝鮮が日本本土にミサイル攻撃を仕掛

けたかのような大騒ぎしてたんだけど、状況の脈絡もなく北朝鮮がいきなりそんな軍事攻撃

する可能性はありえないわけで、発信側も本当にはそんなことを信じてないのに、万が一の

ことを考えて警戒するに越したことはない、って安易な条件反射だったんだろう。

例によって安倍首相は北朝鮮非難と圧力強化を率先して米国や国連へ訴えてるわけだけど、

その日米と北朝鮮の立場の公平性にバランスの悪さがあることは少し思考力のある人間には

すぐわかることなのに、それが全く念頭になく一方的に北朝鮮を悪と決めつけ、ただ力で抑

えつけ追い詰めることしか考えてないなら非常に危険だ。

米国に政権の存続を脅かされ続けてる北朝鮮の立場を考えれば、核やミサイルの開発は当然

なことなのだし、いくら日米などがそれをやめろ、って言ったって、米国がかつてイラクや

リビアなどに武装解除させてからだまし打ちし、国内を混乱に陥れたようなことは、断じて

されたくない、って国のリーダーが思うのは古今東西万国共通の人情だろう。

核の廃棄や開発をやめろ、って迫る米国の後ろからわが国のリーダーは、そーだそーだ、っ

て絶対支持してる風なんだけど、それを言ってる米国は世界一の量の核兵器を保有してるん

だから、北朝鮮が、わが国が核を放棄しないこともない、米国も世界のどの国もそれを放棄

した時には、って言ってることは理の通った正当なもんだろう。

自分とこはたっぷりそれを持って他国を脅し武器を奪い、いつでも自国の判断で軍事攻撃す

る権利を持ってるのだ、って主張してるんであれば、それを聞いた方は米国こそが悪の国だ、

って断じることにも理があるだろう。

核兵器の廃絶を目指すんであれば、その抑止効果を信じてる自国と同様にとりあえず他国の

それも認めて、各国が互角の立場で削減に向け平和的に協力し、経済発展も分かち合えるこ

とができれば、それは可能だろう。

今のように、米国が軍事独裁のようなことをしてて、他国をいつでも自由に支配してもいい

権利を持ってるかのように考えてたとしたら、建前にいくら民主化を掲げようが他国のプラ

イドを傷つけることになり、敵視軍拡国やらテロはなくなることはないだろう。

とりあえず、軍備や経済発展の優位に自惚れて北朝鮮を蔑視するような態度は改めた方がい

いのだ、トランプさんも安倍さんも、さもなくば敵視が倍増して戻って来るのだから。




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