8/28のしゅちょう
            文は田島薫

老人の養生について


年をとると若い時よりもだんだん体が衰えてくるのは当然のことなんだけど、それでも、そ

れには個人差があって、けっこう若くても体がボロボロの人もいれば、先日105才で亡くな

った医師の日野原重明さんのように100才越えても元気いっぱいの人もいる。

日野原さんはかつて成人病と呼ばれてたがんや脳卒中などの病を「生活習慣病」と名付けて

病気にならないための策として、生活習慣を改善する大事さを訴え自身が実践した。

若い時はけっこう乱暴な生活してても割合元気でいられたのが、年を取るとそれが急に崩れ

て来ると、だれでも、年だから仕方ない、って風に思いがちで生活習慣の改善についてはさ

ほど気を使わないまま医者通いに精を出す人もけっこういそうで。

私の両親の例で言えば、どちらも85〜6才まで生きたんだからほぼ平均寿命と言うことでい

いのかも知れないけど、どちらも生活習慣の質をもう少し上げさせてやれたらもっと長生き

できたんじゃないか、って思いが残るところがある。

私自身は食の安全とか栄養バランスとか運動などについて、若い頃から気にする方で両親に

もアドバイスすることもあったんだけど、両親は自分らなりにそれを考えてやってる意識が

あったらしくマヨネーズとかマーガリンとかサラダ油とか各種加工食品とか私が避けてる食

品も気にしないようで、私の方も、さほど神経質になることもないのかも、って見過ごして

たり、私自身もきらいなマヨネーズ以外は両親のところへ行けばマーガリンや古いてんぷら

油の揚げものなんかもつきあって食ったりしてたわけで、両親のそれぞれががんや軽度の脳

硬塞の診断を受けた後も同じ生活を続けさせたし、当人たちもそんな食品は問題ではないと

信じてたようで私もたいしたことではないのかも、って思ってるうちに症状が悪化した。

婦人会の役員だったおふくろの場合はけっこう歩いたり踊ったりで体を動かす方はしてたよ

うだけど手術後食が細くなってからひとつひとつの食品のクオリティが影響する実感をした

んだけど、食習慣はさほど改善できないままどんどん食う量が減った。

おやじの方は80過ぎまで虫歯が1本もなかったのが、水をあまり飲まない習慣も変えなかっ

たせいもあり脳硬塞が悪化したことと普段運動をしない足の筋力の衰えで歯磨きもままなら

なくなり結果的には肺炎を起こして入院した。

危険な油や加工食品は食わない、タンパク質と野菜をきちんと取って足腰の運動は毎日する、

よく歯磨きやうがいをして誤嚥を防ぐように咽を鍛える、水を充分に飲む、ってようなこと

をできる限り徹底して行くのがいいのだ。




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