6/12のしゅちょう
            文は田島薫

最良のテロ対策について


今年に入ってもシリアやアフガニスタンの他、トルコ、ロシア、エジプト、イギリス、イラ

ンその他でIS一派によると見られるテロが起きているわけだけど、イラクやシリアでのISが

米国その他の軍事攻撃によって勢力範囲を縮小してる、って報道を信じるなら、退去したり

した各地へ勢力を分散しそれへの必死の抵抗、という見方もできるわけで、だったらもう一

息、って風に考えてテロリストのアジトやルートをよく調べ検挙に精を出す一方、空爆など

のISせん滅作戦を継続して行こう、ってような短絡的な方法でいいのだろうか。

ヨーロッパや米国でテロがあると、メディアは大騒ぎするんだけど、シリアやアフガニスタ

ンなどではそれ以上の犠牲者も出るテロが毎日のように起きてて、報道はごくささやかにさ

れることがもう何年も続いているわけで、一向にISは全滅しそうもないのだ。

それに、その米国などによるせん滅作戦の空爆では一般市民が盾にされててたんびに犠牲が

出てるのをさほど、欧米メディアは気にしてない様子を見れば、ISから逃げる難民も多くい

る一方、同胞の命を粗末にする欧米に反感を持ちISに共感する若者も出て不思議はない。

ISの側からすれば、それなりの国家建設の理想を持って戦い始めて、今や戦争中なわけだか

ら、テロは不利な状況を打開するための支持国を含めた欧米全体への武力攻撃のメッセージ

という意味もあるわけだし、それを、わが国の安倍政権のように一言で、テロは許すことの

できない悪事だ、などと言って済まそうとするのはナンセンスなのだ。

だって、盾にしてるとは言え、味方に引き入れてもいいと考えている一般市民も含め、自分

らの上からの無差別爆撃して膨大な数の人々を殺すことはテロでない、と言えるのか、と。

とにかく武力によって政権を獲得しようとしたISとそれを制圧しようと武力にまかせる側と

は同じ穴のムジナであって、結局双方が自分の方の正当さを主張しあってる構図も同等と考

え、とりあえず、攻撃優勢の方が和平や停戦をもっと積極的に仕掛けるのがいいのだ。

わが国の首相のように悪とは交渉しない、などと言うのは勘違いもはななだしいのであって、

人にはそれぞれに事情というものがあり、それをある程度わかってやらないことには、戦争

もテロモ終わることは難しいわけで、その間いつも不条理に犠牲になって死んで行く者の不

幸が続くことになるのだ。

このまま戦い続けてIS全員神の国へ召されることを望むより、全員に命の保証をしてやり、

政党として政治活動をすることを支持してやればその気にならないとも限らないわけで、そ

の上、経済援助を約束したり民主的な選挙制度などで国を変革して行く道をすすめてみるの

も無駄なはずはないのであって、それを現在一番にやれる条件を持っているのは平和憲法を

掲げるわが国であり、それをやれたら世界から尊敬されるだろう。




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