4/3の日記          文は田島薫



静かな花見散歩


先週は例年ならココアスタジオの花見の開催を企画する頃なんだけど、ここ何年か体

調不良者が続出で、出席は家人と私の他は尾形歌人とユーシロセンセーぐらいになっ

ちゃってたところに、そのユーシロセンセ−も去年の秋に亡くなり、後来そうなのは、

ココ通更新時に、いつも隔週で宴会してる歌人だけ、ってことになるんで、常時積極

的宴会開催希望者である歌人に、とりやめを宣言した。ところが、歌人、去年まで出

席してたユーシロセンセーを追悼しながらする花見にも意味があるんじゃないのかと

かなんとか言ってなかなか納得しない。じゃ、病気療養中のバンドゴッコ・サニーが

もしも、来る、って言うなら開催する、って伝え、寒さの少し去った木曜日にサニー

のPCに無理のない形で気分が乗った日があればいつでも直前連絡可、ってメールし

といたら、次週病院行きの予定もあり、当日体調をみてから、って返事があった。

小雨模様の土曜の午後、家人と歩きで食料の買い出しに出かけ、線路を越えた2軒め

のマーケット入る前にそばの公園まで行ってみると、桜は5分咲で肌寒い小雨ん中、

花見客はいなかったんだけど、でかい白いテントの下にテーブルやガスコンロを置い

て地元役員らしい数人が自治会の夜桜の準備らしいのをしていた。

晴れた日曜は、大きな沼のある地元公園の、いつも行くたび開館曜日と時間がずれて

て一度も中を見れなかった、小屋「ヒヤシンスハウス」を見に行こう、って家人の希

望に沿いブランチ後出かけた。3番目の最寄り駅のわきから到着点の公園まで1.1キロ

続く5〜6分咲の桜並木の遊歩道は大勢の家族連れやカップルが歩いてて、お馴染みほ

ぼ具のない焼そばやマーガリン製ジャガバタなどの出店もけっこう並んでた。

沼の方は遊歩道の人ごみよりは少なかったんだけど、向こうに見える桜の木がならん

でる広場はもう花見客が満席ににぎわってた。問題の小屋は、立原道造が戦中に自分

の別荘小屋として設計して実現に至らなかったものを、地元の有志たちが13年ほど前

に建てたようだ。初めて入口が開いてるのを見たわれわれはさっさと中へ、5坪弱で、

入場無料遠方からわざわざ見学に来るファンもいる、ってことなら列を作って順番待

ちしててもおかしくないはずなのに、われわれの他にひと組づつが入れ代わっただけ

で、さほど一般の人々は関心がないようだ。中にいた世話老人から説明を聞きながら、

木製の壁や特製のでかい木製窓枠や選び抜かれたもんらしい各種金具などを軽くたた

いたりして全体のしっかりした作りに感心して感想を言った。

沼をひと回りして、陽のあたるベンチで水面やカモや釣り人や家族連れをながめなが

らビールやコーヒーを飲んでから、また桜並木の人ごみを通って帰宅。


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