4/3のねこさん 文は田島薫
黒とらが久々のおあいそ
先週末の午後、少し雨がぱらついてたんで家人と傘を持って歩きで食料の買い出しに出か
けた途中のねこよこちょう入口角の家。ちょうどそこの奥さんが門の外へ出てたんでふた
りであいさつしたら、黒ねこさんが駐車スペースの方にいる、って言うんで、私はそっち
へ行くと、ねこさん気づいてすぐにこっちへ歩いて来た。家人の方はそれを横目で見なが
ら奥さんと会話してる。この何ヶ月もの間、見ると黒さんいつも縁台に後ろ向きで座って
たのは、そこの家の黄とらがベランダへ出入りするのを見そこなわないようにしてるせい
だ、って、で、どうも黒さんもう12才で腎臓もわるいらしい。
私はそれなら、って、そばへ来た黒さんの腎臓あたりを指圧してやった、ねこさん、微妙
な感じで数秒じっとしてすぐに手をすりぬけて離れて、またすぐに寄って来るんで、また
指圧、ですりぬけ、また来て指圧、4度めぐらいに車の下へ入って行った。
いやいや、あの台の上にいてもなかなか兄貴出てこないし、さみ〜から、ちょっとこっち
来て暖ったかいとこ探してたら、おばさんが出て来たね〜、お、だれかと話してる、なん
だなんだ、お、あっちに、なんだかぼくの知り合いのような人がしゃがんでるね、だれだ
っけかな、こっち来い、ってか?奥さんとも知り合いみたいだから大丈夫だね、じゃ、ち
ょっとだけ、ごあいさつ、おっと、おなか押すんかい、おいおいよせよー、ん、でも、ち
ょっと気持よくなったかな、じゃ、も〜1回やってみて、やっぱ、よせよー、ん?、も〜
1回か〜、ん〜ん、も〜い〜かな。