3/21の日記          文は田島薫



ととなまの別荘


先週は、だましだまし使ってた事務所の古いファックスがどうにも言うことを聞かな

くなったんで、ネットで中古が4〜5千円ですぐ買えるんじゃないか、って探したら、

意外にみつからないんで、新品の一番安いやつを注文した。

金曜の午後、友人のととなまから家人の携帯へメールがあり、予定なければ日曜と休

日の月曜に1泊で大月の別荘へ来るか?って言うのを見て、まだそこへ行ったことの

ない家人の方は興味津々大乗り気で、家人にはすでに友人との先約もあったんだけど、

そっちは延期的キャンセルにする、って言うんで、じゃそーすっか、と。

ファックスの方はまだ発送連絡がないんで、重なっちゃうと宅配にも迷惑かかっちゃ

うな〜などとちょっと心配してたら土曜に来る、ってメール。

日曜の11時前にふたりで最寄り駅の立ち食いそば食ってから電車で出発。

ととなまの別荘は40年ぐらい前に大月の山奥の元養蚕農家の家を買って手を入れたも

ので、電気は来てるけど、水はそばの沢からホースで引いてる。30年以上も前は私も

よく参加して、いろんな友人たちとたびたびそこで宴会合宿のようなことをやってた

ものなんだけど、さすがに昨今はそういったことも減ったらしく、老朽化も進んでる

ようで、行く前に風呂は入れない、プロパンも止めたんで煮炊きもできない、って告

げられてて予定通り大月駅前で1時過ぎにわれわれとととなま夫妻と集合した後、と

りあえずスーパーで食料と水を調達。

徐々に上って行く車も通る川沿いの道を歩いてると、けっこう若者の登山グループな

んかが向こうから歩いて来る。3〜40分後、昔渡った吊り橋が傷んで使用禁止になっ

てたせいで、そこよりかなり先まで歩いてってから、わきの橋の方へ入り渡り小道を

15分ほど上ると、数件の住宅のほぼてっぺんにあるトタン屋根がととなまのそれ。

着くと部屋じゅう薄い土砂の膜に覆われた風で、障子もあちこちはがれて、床も沈む

箇所もある。さっそく掃除機とぞうきんでみんなで掃除。さて、じゃ、掘りごたつで

くつろごうか、ってふとんをかけたんだけど、留守中入ってくるさまざまな動物にコ

ードがかじられてて電源スイッチは入れられない、足をつっこむと、床下の穴から冷

気が来るもんで、10年ものの灯油の入ったストーブをなんとか点火。

なんとか暖まった部屋でとうふやなっとうや天ぷらやフライと、野菜ジュースと10年

ものの缶ビールで乾杯。ショーチューとウイスキーも追加でちびちび。

翌朝も掃除やったり体操したり、しかし午前中の寒いこと、セーターにダウンを着込

んだままだったけど、陽の上がった昼過ぎ、様々な花を愛でながら帰路は一気にシャ

ツ1枚に、ととなまが馴染みの農家になにか土産を上げたら、お返しにほうれん草い

くらでも持ってけって、われわれもいっしょにでかいレジ袋ぱんぱんのをもらった。


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