カラスにアップルパイ
この写真を写している背中で事件がおこった。
毎週末になるとアタマがイタイ。来週のココ通を考えなければならないからだ。
天気はよし。なにか材料があるだろうと近所というには少し遠い公園へでかけた。途中、コン
ビニで昼食用のパンを選んでいたら、ケーキの棚に好物のアップルパイをみつけた。園内売店
のコーヒーメーカーで熱いコーヒーを入れ、これを食べれば豪華な昼食になる…、とほくそえ
みながら自転車をとばした。
まだ緑のすくない公園では、梅の花が終わりを見せるなか、菜の花だけが光彩を放っている。
谷あいにある菜の花畑は気温が低く、まだ花はしっかりしている。人影のすくない土曜日の昼
前、菜の花畑をひとりじめにして先日買ったレンズの創りだす絵に夢中になっていた。
時がたち、そろそろ場所をかえようと立ち上がって振り向くと、ベンチに置いたコンビニの袋
をカラスがつっついている。近よると手ぶらで逃げると思ったカラスは大きなかたまりをくわ
えてよたよたと飛び去った。袋の中をみるとカラスが好きそうなソーセージをはさんだパンと
もうひとつが残されていてアップルパイだけをもっていかれた。
楽しみをカラスにさらわれて、ドリップコーヒーを缶コーヒーに格下げして、もそもそと食べ
るパンのまずかったこと。このみじめな姿をトンビならぬカラスにアップルパイをさらわれる
というのであろう。
この恨みが、アップルパイ好きのカラスにどうしても好感をもたせなかった。 |