●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
もどきさんが、この時期の世間のにぎわいを観ての本音。



今年も終わりなのだ!


いよいよ12月。たかが師走、されど師走。

ウインター・ハズ・カム。

口をとがらせて、いくら英語らしく言ってみても春が来たのとは違ってウキウキ感

がまったくない。

女は主婦になった途端、師走は忙しいものになる。

大掃除、年賀状書き、お歳暮の手配、おせちの手配、年末年始の病院休診の備え、

ママ友忘年会のつきあい等々。

おまけにクリスマス行事まで考えなければならない。クリスマスを祝うなんて誰が

考えたの?

年末になると、近所のおばあさんは「お正月なんかこなきゃいいのにね」と大きな

買い物カートを引っ張ってつぶやいたものだった。

同感、同感と思いながら、街に出てみれば、案の定、クリスマスイルミネーション

が目を奪うばかりに輝いている。

クリスマスイルミネーションを見てワクワクする人はいい。

華やかな街の中に身を置いて逆に気持ちが沈み込んでしまう人や、そうした華やか

さとは無縁の人もいるだろう。

そりゃ、私にだって、クリスマスパーティー華やかなりし頃があって、オシャレに

着飾って、楽しんだ頃もあったけど・・・

ああ、それなのに…

気がついたら今では寒さ除けにマスクして、マスクの下は当然ノーメーク。目深に

帽子をかぶってあぶない人になっている。

イルミネーションの輝きとは無縁の人。

だが、なんだかんだいっても、まぎれもなく12月は1年の締めくくりの月。その年

のさまざまな出来事を総ざらいする月である。

良きことはしっかり思い出につなげ、悪しきことはさっぱり忘れよう。

寒さと相まって願わくば身も心もほっこりしたい。


戻る