●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
もどきさん、少し悲観してるようです。



楽観主義と悲観主義


コップに水が半分入っていると、これを「まだ半分ある」と思うのがオプチミスト、「半

分しかない」と思うのがペシミストというのは有名な話だ。

私はどちらかというとペシミスト。

友人とそのことを話題にしたとき、

「悲観主義はそう悪いものではない。物事を悪い方へと考えるからあらかじめそうならない

ように準備をするからそのぶん安全なのだ。楽観主義は生きやすいかもしれないけれど、備

えることなくどんどん加速してしまい後から取り返しのつかないことになる」というような

解説で私を慰めた。

それでその場は、そうか、なるほど、と納得したのだが、それでも根がネガティブなので落

ち込むこと多々ある。

そんなときのために気が軽くなる言葉を見つけるとつい書き留めたりして、やり過ごすので

ある。

「人生そんなに深刻に考えるな。永久に続くものじゃない」

「明日は明日の風が吹く」

「夜の明けない朝はない」

なんていう真っ当な格言から、中には

「取り越し苦労はしなさんな。もうすぐあんたのところに本物の苦労がやってくるから」

というのや、

「さあ、笑おう。今日は明日ほど悪くない」

なんていう、傷口に塩をぬる格言まであるから恐ろしい。

今、トランプ大統領が誕生して世界は、楽天主義者と悲観主義者がはっきり分かれている

ような気がする。

あんな粗野で差別的、自己中心的な大統領が誕生するなんて、世も末だという悲観主義と、

思い切った経済政策で中間層に広がる閉塞感を救ってくれる救世主だという楽観主義。

今株式市場は楽観に走り、トランプ相場でうなぎ上りだが、異教徒や平等主義者は悲観に

走り、報復のテロが起こる気配だ。

果たしてどちらの見方が当たるのだろうか、まったく不安な日々である。

あ、これも悲観主義?


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