8/22のねこさん       文は田島薫



ミケのひなん場所


次の台風が近づいてるらしいきのうの午後、近所のスーパーへひとりで水類の買い物へ行く

途中の稲荷神社となりの家の狭い庭をのぞくと、きのうと同じように、ビニール傘を立てて

もらった下の発泡の箱の中に小さい方のミケがいた。ちょっと近づいて、生け垣越しにねこ

さんの方をのぞくと、当人もこっち向いたんで、きのう家人と来た時と同じように、よ、っ

て手を上げてあいさつしたら、ねこさん、箱から顔だけ上げてこっちをじっとながめてる。

じゃ、って言って、道路に戻ってまたそっち見たら、まだそのまま同じかっこの顔だけが見

えてるんで、また、よ、って手を上げてから別れた。


きのうの大雨はまいったねー、あぶないとこでここに避難できたからよかったものの、あの

まま外歩いてたら、びっしょびっしょんなってどっかへ流されてったかもね〜。いやいや、

ここに雨が入らない場所があってよかったよかった。待ってっと、おばさんがごはんも出し

てくれっから、もー、あたしゃここでじっとしてればいーんだねー、もー、寝たっきりでも

いーんだねー、らくちんだねー、ありゃ、いつのまにかまた、あの2人組の片方だけがそば

立ってるねー、手上げてやがるねー、どーゆーつもりなんだろーねー、意味わかんないよー、

だ、用がないんなら、早く帰った方がいーよー、雨が来てぬれちゃうよー、また手上げてや

がるねー、早く帰った方がいーよー、ぬれちゃうよー。


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