5/9のしゅちょう
            文は田島薫

国の偉大さ、ってことについて


米国の大統領選、共和党は暴言で無理と思われてたトランプさんで決まりそうな

ことになって来たようなんだけど、もちろんそれを不支持な層は共和党内にも多

いにしてもけっこうな数の支持者が米国内にいる、ってことなわけだ。

トランプさんの主張を簡単に言うと、米国民の利益最優先、それを侵害する他国

やそこの国民の死活は知ったこっちゃない、そうして米国を偉大な国にする、っ

て言ってるように聞こえるんで、矛盾だらけなんだけど、当人に弁解させれば、

多分、知ったこっちゃない、って言ってない、公正さを求めてるんであって、不

法入国者の取り締まりのために、メキシコ国境に壁を作るんだし、テロを起こす

可能性のあるイスラム教徒全員を入国禁止にさせるだけだし、日本などに米国基

地の費用を全額負担してもらうだけだ、って言うんだろう。

そう聞くと、なんだかなにも間違ったこと言ってない当然の主張のようにも聞こ

えるから、自国の利益に賛同しないわけはない米国民には余計支持する気分にな

る層も多いのだろう。

自国の利益優先するのは当然のことだろう、どこの国だって自国のことは自分の

力でなんとかするのが基本なわけだから米国に頼るなら公正な手続きを踏んでも

らうし相応の費用は請求させてもらう、ってわけだ。

ところが、ここには重大なインチキが隠されているのだ。

それはなにか、って言うと、現在ある世界の秩序なり制度が本当に公正無比なも

のじゃない、ってことなのだ。

他の欧米諸国なども同様なんだけど、米国の資本は世界の後進国から、勝手な理

屈で地下資源開発やら食料生産のための緑地開拓を続けて自然破壊したりして住

民の貧困増大させた責任があるのだ。もちろん、食料や医療の恩恵を受ける層も

多くいるのも事実だろうけど、全般に恩恵を与えた、って言えるなら、富を増大

した米国と同等なぐらいアフリカなども豊かになってなければおかしいはずなの

に、今だに、貧困の中に死と隣合わせに苦しむ人々が何百何千万といるのだ。

世界はすべて関係性の中にあるのであって、上面の公平性を謳った自己保身だけ

で「偉大な」(?)国になれるわけがないのだ。

偉大、ってことを「人が敬意を感じること」、だとすれば、多分、自分が損して

も困った人々を助ける、ってような立場のことを言うんじゃないのか。

膨大な富を持ってるトランプさんが貧乏な米国人が貧乏なのは自分のせいじゃな

い、不法な貧乏な他国民が富を奪ってるからだ、って言ってるのを聞いて、その

通りだ、って感じる人は彼にすっかりだまされてる、ってことになるのだ。

わが国の首相も日本を偉大なうんぬん、って言ってたような気がするからご用心。




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