いまなら まにあう
むかし防空演習というものがあった。防空演習といっても空を守るわけではなく空から
降ってくる爆弾による火災から家を守る演習で、防火訓練とか消火訓練と言ったほうが
わかりやすい。
写真は、小生の生まれ育った町にある小学校の、プールの水をバケツリレーで運びだし、
燃える人家の消火にあたるという訓練のようすを写したものだ。
後世、あの大空襲による猛火をバケツリレーで消せるものかと冷笑するが、戦争の初期
大がかりな空襲がはじまるまえは、散発的に落ちてくる焼夷弾をバケツの水で消し止め
た例がたくさんあった。たかがバケツの水でも時をえれば役に立つ。
安部首相は安倍内閣で憲法改正をすることを宣言した。いままでのように姑息な手段を
つかって憲法改正を言っているのでなく真っ向から憲法改正を言ってきたので受けて立
つ憲法改正反対論者も情緒論ではなく、理路整然とした反論をしなければ国民は判断の
しようがない。
小生個々の理由は書かないが憲法改正論者である。しかし、新安保法成立の手順や各閣
僚の憲法に抵触するような発言を放置する安倍首相の手によっておこなわれる憲法改正
には反対である。
さいわい日本は議会制民主主義である。安倍首相がいかに憲法改正をめざしても賛成す
る国会議員を得なければ実行することはできない。
7月の参院選を前にして衆参同日選もささやかれている。安倍自民党は選挙に勝つべく
あらゆる手段をつかってくるだろう。対する野党も自民党から野合などと揶揄されるこ
となく、明快な論をもって国民が納得するような政策をもって選挙に勝ってほしい。
安倍型憲法改正というボヤも、選挙という手段をつかえばひとりひとりのバケツの水で
消せる。これが自民大勝という大火になってしまったら、憲法改正反対というバケツの
水ではなんの役にもたたない。
そして、焼け跡にぼうぜんと立ちつくすのは国民である。 |