思いつくまま、気の向くまま
  文と写真は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい、浮かれた気分になりたいよ〜ななれないよう〜な。





春だ、さくらだ、新年度




咲く時期がはやいのと色が濃いので人気がある河津桜は自然交配種といわれ、静岡県の河

津町で発見されたのでその名がついた。おなじ交配種でもソメイヨシノは、生命力が強く

成長がはやいのであっという間に日本中にひろがってしまい、いまは桜の代名詞になって

いる。

さくらにはいろんな種類があるのにどこへいってもソメイヨシノというのはおもしろくな

いが、なんでも他人とおなじ、よこならび大好きの日本人にむいているのかもしれない。


さくらの咲く季節は、卒業式、入学式、入社式と門出の季節でもある。社会生活も4月か

ら新年度がはじまり、ものみな新しくなる。

来月4月、われわれの門出をみわたすとろくなことが待っていない。

まっさきに来るのが新安保法施行。こういうものは動き出すと対外的な問題が出てくるの

で簡単に廃止できない。どのような社会になるのか覚悟しておいたほうがよい。保育園落

ちた 日本死ね!の保育園問題、低所得者にしわよせがくる年金改正、震災復興住宅が計

画の半分も出来ていないのにその原因を検証せずに新しい復興五か年計画を立てる、低濃

度放射線が残るのに安全だから家に戻れと原発避難者の保障打ち切りなど弱者切り捨ての

方向はけしてあかるい未来をしめしていない。

バブル崩壊いらい日本の政治はうわべだけをつくろい地に足がついていない。とくに憲法

改正しか眼中にない安倍政権になってから顕著である。木造の屋根の下でたき火をしよう

というバカげた話が象徴するようにあらゆることが場当たり主義、その場しのぎの考えで

国政が動いている。夏の参院選に勝つためだけの、およそ空虚にみちた政治が続く新年度

をむかえなければならないのかと思うと河津桜の美しさもどこへやらである。


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