10/31のしゅちょう
            文は田島薫

核兵器禁止条約、について


核兵器の使用や開発を法的に禁止する初めての条約制定を目指す決議案が国連総会の委員会

で採決され123ヶ国が賛成、38ヶ国が反対、16ヶ国が棄権したんだけど、アメリカ、ロシア、

ヨーロッパなどの核保有国、その他が反対、保有国でも中国、インドが棄権、北朝鮮は賛成。

核兵器廃絶を訴えてたはずの世界唯一の被爆国わが安倍日本政府は米国に気兼ねしたのか反

対にまわった。

その言い訳は、核保有国と非保有国が協力しあって核廃絶に段階的に努力しなければならな

いのに、今はその機じゃない、とかなんとか、ってもののようだ。

広島まで来て安倍首相と核廃絶を謳ったオバマ大統領も米国議会の動向に逆らえなかったの

だろう。けっきょく、世界で核軍縮の足を一番引張ってるのは米国なのであって、その同盟

国である日本はただそれに従って行くだけなら安倍首相の目論みと反比例して世界からの信

頼はますます無くなって行くだろう。

核兵器禁止に反対の立場は、非人道的核兵器は廃絶の方向に賛成だけど、今はそれの使用を

禁止すべきじゃない、って言ってるわけで、使うこともありうる、って言ってると同じなの

だ。使えない、って法的に規制すれば、保有する核兵器が即廃棄的状況になり、それを守ら

ないテロ組織などへの抑止力がなくなる、ってことなんだろうけど、核廃絶に向けて進んで

行こうとするなら、核兵器禁止に反対する、って明言を避けることから始めなければ、いつ

になったら核兵器の廃絶が実現すると言うのだろう。

被爆国であり戦争放棄の平和憲法を保持してる日本こそが、米国にそういった条約の前向き

な立場表明を勧めるべきだし、わが国は、反対なんかしたらその主張の矛盾のまっただ中、

っておかしなことになるのだ。立場が苦しく賛成が無理なら、せめて棄権を米国に強く提案

するし、自国だって当然そうしなければ、平和憲法も無意味な言葉の羅列になるだろう。




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