1/25のねこさん 文は田島薫
大ミケが来た。
先週の終わり頃、事務所でたまたま家人とお茶してると、ガラス戸の向こうの道路から
稲荷神社となりの家にいつもいるミケの大きい方がわが家の雑草アプローチを歩いて来
るのが見えたんで、ミケが来たぞ、って家人に教えたら、すでにミケは家の死角まで来
ちゃってたようだった。お、もー玄関の方行っちゃったよーだ、って言ったそばから、
向きを変えたミケさんまた道路の方へ向かって出て来て、道路で右に向きを変えまたそ
っちへ歩き去って行った。
久しぶりにきょうはこっちの方へ散歩来てみたんだけど、お、この草っ原入ってみっか
な、しかし、初めてんとこはなにがいるかわかんないから気をつけないといけないんだ
よな、いきなし、あぶないやつが出て来てかみつくかもしんないし、首根っこつかまれ
てふりまわされるかもしんないし、そんで、気絶したぼくは三味線屋に売られちゃうか
もしんないし、このすぐ先にすんごくうまくできた落とし穴があって、そこおっこって、
暗い穴ん中で一生過ごさなくちゃいけなくなるかもしんないし、ん〜ん、きょうのとこ
は、ここまでにして、勇気ある撤退、ってことにすっか。