8/31のねこさん       文は田島薫



ごはんまち


先週の土曜日、小雨模様なんで、いつもの自転車やめて歩いて家人と食料の買い出し

に出かけた途中の稲荷神社となりの家の狭い庭。ねこさんいるかな、ってのぞくと、

ミケのひとりがいて、その向こうにはグレーもいて、縁側の閉った戸の方に神経を集

中してる模様。よ、って私と家人が手を上げて合図すると、グレーはこっちを見てる

んだけど、私が、よ、って言っても知らんぷりのくせして、家人が何か声かけるたん

びに、にゃ、って言ってる。でもこっちへは来ようとしないで、体は戸の方に向けて

座って顔だけこっちを見てる。ミケの方はこっちをあんまり気にしてない模様。


さ〜、ごはんの時間だ、いやいや、腹減ったね〜、今にそこの戸が開いておばさんが

ごはん出してくれるはずなんだね〜、まだかな〜、はやく、はやく、おばさ〜ん、つ

ってるとこに、お、いつのまにか見たことある2人組が来てこっち見てるね〜、ぼけ、

っとした方が、わけわかんない声だしてるのはほっとくとして、やさしそ〜な方が、

こっち来い、みたいなこと言ってるよ〜なんで、そっちへは今行けないんだ、ってこ

とで、一応、だめ、ってことだけ言っておこ〜かな、…だめっ、…だめっ


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