8/17の日記          文は田島薫



鯛メシ


暑さが少し和らいだものの、毎日汗かいてシャワー浴びては着替えてるもんで家人は連

日洗濯の用事が増えたことと、外で草花に水やる習慣も続いてて暑さ負け気味か、外へ

出て行く気力が少し弱まってて、ふたりで出かけることが多かった食料の買い出しもこ

のごろは私が、ひとりで行って来よ〜か?、って提案すると、ふたつ返事で、え?じゃ

お願い!、って形が続いている。

そういうことで土曜も私がひとりで自転車でマーケット行くと、けっこうでかい鯛の切

り身2切れ入ったのが目玉商品、って札つけて1パックだけ残ってたんで解凍サンマやカ

ス漬け赤魚といっしょに買って来た。

鯛は私には、お祝の時にもらってきて冷えて堅くなったやつをほじって食った以外に馴

染みがなくて世間で有り難がるほど旨い、って感じたことがないんで、これに味が似て

るアジの開きの方が旨いんじゃね〜の、って立場なんだけど、家人の方はそれの旨いの

を食った記憶が強いらしく、ことあるごとに、彼女の好物第一番、ってようなアピール

を受けてたもんで、機会があれば食わしてやろ〜、って思ってたのだ。

で、さっそくその晩に鯛、ってことにするかと言うとそ〜ならないで、その日は解凍サ

ンマ焼いて大根おろしたっぷり付き、サンマは捕れたての新鮮なやつが一番旨いに決っ

てて、解凍のやつなんかはちょっと、ってばかにしてたんだけど、捕ってすぐ冷凍した

やつで解凍後すぐ食えるんなら、すんごく安いのに遠洋の黒まぐろと同じ条件なわけで、

相当旨いのがあることわかって、けっこうよく買うのだ、だめもとだし。その日のは、

抜群にじゃないけど、黙ってりゃ生に見えるぐらいまあ普通に旨いサンマだった。

で、翌日曜の昼に鯛メシを作った。なぜ晩じゃないのか、って言うと、晩はビールなん

か飲むんで、飯食うと腹がぱんぱんになっちゃう、ってことで米を食う時は昼なのだ。

いつも使ってる圧力釜は炊く量が少なくなってきたせいもあってか、なかなうまい飯が

炊けないで、餅のようになっちゃうことが多いもんで、鯛飯の飯がそれじゃだめだろう、

ってことで、事務所にしまってあった電気釜を取って来てそれで炊いた。

それにもやしときのこたっぷりの吸物と、玉ねぎ炒めの卵とじをつけて昼食、私は冷え

たビール家人は梅酒ロックもつけちゃった。

旨い旨い、って喜ぶ家人に、誕生日おめでと〜、って10日後のそれをこれで済ませちゃ

お〜、ってグッドアイデアのアザトイひらめきが口から出た。もっとも、私は年中家人

がなんかで喜んでたら、そ〜言うクセになってるんだけど。


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