7/27のしゅちょう
            文は田島薫

(安倍首相の牧歌性について 3)


歴代の自民党首相が辛くも持続保持してきた戦争放棄の憲法と政策が、安倍政権になり、

急激な戦争参加型のそれに変えられる危険性が増大してきた。

なんでこんなことになるんだ、って言うと、前野田民主党政権の役人を敵視した公務員

改革などが既得権を守ろうとする悪賢い役人の邪魔に遭ったり、民主党自身の支持母体

への気兼ねなどで中途半端なところへ持って来て東日本大震災が起き、電力業界からの

非協力などの邪魔に遭ったりで、不手際が続出、それらを影で演出したかもしれない自

民党の復活。景気浮揚を強調する安倍政権をとりあえず支持した国民による再度の衆議

院選挙の自民党圧勝、彼でいいんじゃないの、って自民党内で安倍首相の選出。

安倍首相による韓国や中国を刺激する言説や靖国神社参拝は、批判もされたけど、先の

戦争をできるだけ正当化したい、って遺族会など支持もあって、その気持ち自体は正直

なものかもしれないんだけど、世界的な視野での公正さから見たら、それを強調するこ

とは間違いだ、って気づくのが普通の理性というものだ。

ところが、そういった感情だけで物事を見ようとする素朴な人々の支持を安倍さんは喜

んで受け入れてる感。

彼の母方の祖父である岸信介はA級戦犯で留置されてから解放された後すぐに、戦争責

任を反省するよりも日本の名誉回復と憲法改正の主張を続けた。

そういったもんがいらないとは私は言わないけど、まず、侵略戦争の総括と自己批判と

犠牲者たちへの深い謝罪を経てから、って言うのが順番ってものだろう。

その岸の子孫である安倍さんは、侵略を認めず、憲法改正もしようと画策している。

北朝鮮の核疑惑や中国の軍備拡張と日本近海への領海侵犯などで緊張感が高まってるか

ら集団的自衛権で米国との軍事協力を強化して抑止力を高めるのだ、って説明は、素朴

な人々には説得力持つのかもしれないんだけど、安倍さん自身もその素朴な感情の持ち

主に違いないのは、なんで日本近海の自衛に集団的自衛権が必要なのかの証明もできな

い上に、機雷除去するって言うんだけど、米軍とともに中東まで自衛隊が行ってなにを

自衛するのかも不明、その理性的整合性を全く気にしてないようだからだ。

わが国が存在の危機を迎え、他に手段がない時に限って国会決議で自衛隊は世界のどこ

ででも最低限の戦闘行為をすることができるとかなんとか、っていったわけのわからな

い言葉だけの理屈で納得する国民がいたとしたら、それは頭で物事を疑うことを知らな

いとても素朴な人物だ、ってことになるわけで、「危機」の時になって、わけのわから

ないまま、自己保身の理由で正直な意見の言えない自民党議員の多数決によって戦争参

加、ってことに、って筋書きは、かつての馬鹿戦争前夜のようではないのか。




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