7/13のしゅちょう
            文は田島薫

(安倍首相の牧歌性について)


自分たちで招聘した憲法学者たちのほぼ全員によるその違法性の指摘も無視し、とにかく

集団的自衛権の法制化については国民のだれの意見であろうと、反対意見ならすべて一切、

聞く耳は持たないらしく、自説ばかりくり返してる安倍首相。彼にとって集団的自衛権は

完全無欠の正しい選択だと信じて疑わないものなんだろう。

彼の表情を見てると、なんで国民はこの私の意見の正しさを理解できないんだろう、私の

説明不足だという意見がよく出るんだけど、すごくわかりやすく説明してるはずなのに、

そうか、じゃ、もっとやさしく説明した方がいいんだな、ってわけか。

先日、インターネットで彼安倍首相が、国民にわかるように丁寧に説明します、って、

「例えば、私のことを、あのやろーやっつけてやろー、ってのがいたとして、ケンカの強

い麻生くんが、ぼくがいっしょに歩いて守ってやる、ってしてたところ、麻生くんがだれ

かに襲われるはめになったとして、私もいっしょに戦ってそれを撃退する、」ってような

説明をして、これでわかるでしょう、って笑ってる。

これでわかるのは、多分そのままんまの状況を想像した幼稚園児だけだろう。

しかし、安倍さん無邪気な笑顔で、これで国民に説明がついた、って思ってる模様だから、

おいおい、大丈夫かこの国は、って。

安倍さんは多分職業を間違えたんだろう。安倍さんは正義感の強いまっすぐないい人なの

だ、どっかの商工会のリーダーでもあったら、暴力団に対して警察と連係したりしてきっ

ちり治めることもできたのかもしれない。

ところが、国際政治、ってもんは(私だってなんでもわかって言ってるわけじゃないんだ

けど)、そんな単純な正義感だけで治められるもんじゃないのだ。

他国の攻撃の危険性については、自国も他国にとっては同じ条件であり、いくら言葉で、

わが国の存亡に拘わる他国からの攻撃の危険の場合、ってような抽象的な表現しても、そ

の時のリーダーの恐怖心や妄想によっていくらでも主観的に早とちり判断が可能なんだし、

過去の満州での策謀のような、日本主体の攻撃を始める危険性も増すのだ。

たしかに集団的自衛権は国際的にはどこの国にでもある権利なんだけど、わが国の世界に

誇る平和憲法を無効にしてまで法制化する必要はないばかりか、英国やドイツのように主

体的な発言力も持てないわが国が、米国べったり追従の現状のままそれを実行したら、周

辺にも緊張感を増すし、間もなく完全戦争参加の国になってしまうだろう。




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