6/29のしゅちょう
            文は田島薫

(みんなと一緒の常識に安住する人々について)


この週末、安保法制について、って「朝まで生テレビ」やってて、自民党も出演予定だっ

たのが直前に、わけのわからない理由並べて全員逃げたようだった。

じゃ、野党ばかりなんだから、憲法学者の意見も無視して勝手な憲法解釈を強行して米国

に集団的自衛権の法制化を約束して来ちゃうような安倍自民党に徹底的な批判をして、国

民に理解できるような強力なアピールをまとめたらいい、って期待しつつ、留守録にして

就寝、日曜日に早送りで見てみると、なんだか、他人事のような雰囲気でかっこつけて座

ってる元都知事が目立った。

集団的自衛権の必要性のなさ、ってことをもっと徹底して具体的に検証しあうことがいい

んじゃないか、って見てる私と違って、どうもそれぞれの野党は、自分たちこそ自民党に

対しての批判や安保法制化についての正当な手続きを求める努力をしてる、っていったこ

とをアピールすることが第一の目的のように見えた。

本質論で見れば一番正当な主張に見える共産党議員が、いつもの勇み足で、日米安保の廃

棄や理想論としての非武装まで口にしたとたん、もっともその議員自身もそれについての

不安が顔に出てたもんだから、この時とばかり他の全員が、その非現実性をなじった。

若いのになかなか慧眼で論客だと最近感心していた青年ジャーナリストまで、日本近海で

の中国や北朝鮮の危険性に軍隊の必要性を無視すれば、軍事評論家に一発で論破されてお

しまいだ、などと言った。

共産党だって、いきなり非武装でいいなんて言ってるわけじゃないのに、だれかが理想論

を口にするとすぐに、現実というものをきちんと見据えた見方をしなければいけないのだ、

自分は少なくともそれはしている、って言いたくなるらしい。

すかさず、元都知事も、そんなことは常識で、って言い始める。選挙違反については常識

を知らなかった、って言ってた彼はこっちの方は自信満々の表情(よく見れば顔が緊張気

味で赤いからひょっとするとうんと練習を積んだ演技の成果かも知れないんだけど)、共

産党議員の時はへらへら、なに言ってんだ、ってような顔してた連中が田原総一朗まで、

元都知事の演技力に黙り、日本近海の軍事的危険性についてのコメントに、やっぱりそう

だよな〜、って神妙な顔で聞いてる、自分も軽はずみで共産党みたいな非現実的なこと言

わないよ〜に気をつけることにしよう、馬鹿にされたくないし、って感じ。調子に乗った

元都知事、現実的判断で言えば、集団的自衛権の法制化だって、安倍さん発のような演説

したけど、実は米国から依頼されたもんだと思う(え〜?ってことをみんなあ〜それが現

実かも、って普通に聞いてる)、だから、それなら、それとして(それとしちゃいけない

だろうが)、米軍に乗っ取られてる日本の航空圏の返還などと引き換えの交渉をするべき

だった、って言い出したんだけど、おいおい、みんなして、うなずいてるぞ。

こうやって、集団的自衛権そのものの廃棄に向けた総括をすべき会合が一気に骨抜きにな

って行く図に呆れた。もっとも、知らぬ間にその法制化反対ってことに話は戻ったような

んだけど、元都知事、ひょっとすると自民党から袖の下もらってかき回した可能性も。




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