6/22の日記          文は田島薫



雨の飛鳥山に行った


きのうは家人とどういうわけか渋沢栄一の話が出て、そういえば王子の飛鳥山に記念館があ

ったようだけど、何十年もそば通りながら一度も行った記憶がないからちょっと行ってみっ

か、って午後小雨ん中ふたりでビニール傘さして出かけた。

王子駅南口の陸橋から飛鳥山の自然歩道を上って、SLなんかがある公園をぬけると、紙の博

物館なんかの次に渋沢栄一博物館があり、300円づつ払って1階でビデオを10分ぐらい観て

から2階の資料展示を15分ほど観て、次から次へといろんな仕事を託されてがんばった偉人

の栄光とそれ以上の心労も想像しながら出るころにはぽつぽつと他の入場者も見えた。

同じ入場券で接客用や書庫用のどちらも贅沢なアールデコ調の建物も見物し、小雨ん中、庭

の茶室跡なんかを歩き回ってから、大きな木がしげって雨にぬれないで済む場所を探し、で

かいコンクリの象が支える滑り台が見えるベンチで、楽し気にしようとがんばってる父親の

いる家族づれや、アンニュイな雰囲気の若い男女の3人組なんかを見物しながら持参したコ

ーヒーやビールを飲んだ。チーズやスティックビスケットを食ったりもしてると、鳩がどん

どん集まって来て30羽ぐらいになったんで、時々家人がビスケットの粒を投げるとあっち走

ったりこっち走ったり大騒ぎしてるのを見物した。

ビールも飲み終わると、さて帰るかと、午後4時も過ぎて閉店した茶店のテラスのわきから

自然歩道の階段を下りて行くと、山裾(?)には沢山の紫陽花が盛りで、老若男女のカメラ

マンがあちこちでそれを撮っていたんで、われわれも家人の携帯で2枚だけ撮った。雨と紫

陽花の匂いの混じるような自然歩道が気に入ったんで、しばらく紫陽花の道を行ってからま

た上へ上がる別の自然歩道の階段を上り、いくつかぼんぼり状の灯りが点り始める中、北側

の端までゆっくりそれを歩き駅の方へ下りた。

王子駅の反対側に昔ながらの古い商店街でもあるかもと、交番で聞くと、よく聞かれるけど、

そういったもんは王子にはない、ってことだったんだけど、一応、飲み屋横町のようなとこ

をひと回りしてから駅へ行くとちょうどわれわれの駅行きの電車が入って来たとこだった。

10数分で駅に着き、小さなお出かけは終了。駅前のスーパーで鮭の中骨缶を10個買い、そば

のデパートの無印良品で家人がなんか買ってから帰宅。


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