6/1のしゅちょう
            文は田島薫

(和を尊ぶ、ってことについて)


日本人は和を尊ぶ民族なんだとかなんとか云って、和は平和の和でもあるわけだし、私が

ここで言ってる「戦争をなくす方法」の主題みたいなもんだし、それを聞いただれでも、

一応それはいいことだろう、って感じるんだろうと思うんだけど、そう謳うわれわれ日本

人たちだって戦争をくり返して来たわけで、現実には和だけじゃ物事解決しないのだ、っ

て思ってる人々も多いんだろう。

こちらが平和を望んでいても相手が戦争をしかけて来る危険があるから、って言ってみた

りしてるリーダーのいる当の国が前回は中国でそのしかけをしたことなどもう忘れていた

り、人々が気にかけないように問題視しなように気をつけたり。

戦争はよくない、平和が一番大切なことだ、って言いながら、現に戦争を積極的にやって

る国と同盟強化して、軍事協力も強化しようとしてるのに、戦闘に参加しない後方支援だ

けだから問題ない、って自国の地元民や自治体主権者が拒否してるのも無視して、自由に

お使い下さい、っていつまでも軍事基地を提供したり。

この場合の和は、地元民に対してや、同盟国の攻撃相手に対してのものではなくて、そう

いった同盟国や軍事政策関係者との和であって、そういった政策に賛成の政治家や軍事産

業の人々との間の和なのだ。戦闘によって被災される難民などに対して、われわれの政府

の連中は人道支援、といったことを多いに吹聴して、われわれはとてもよいことをしてい

る、って気になってるようだけど、そもそも難民が逃げまどうような状況を作らないこと

が平和政策のはずなんで、闘いに参加しながら平和政策なんてのは言葉の矛盾なのだ。

それでもISのように乱暴に武力闘争してるわけのわからない連中に話し合いなど無理なの

だ、って言うのかもしれないんだけど、それは相手から見るわれわれも同じわけのわから

ない存在なのだし、そもそもそういった勢力が台頭する原因を作ったのもわれわれに責任

があったかもしれないのだ。

とにかく、自分側の考える仲間を味方とし、それにそぐわない考えの集団を敵と考えれば、

単純で、味方の中にいてみんなの動きに合わせて同じことしてれば物事がスムーズに動く、

とりあえず仲間うちでは、って考えるのがほとんどの場合の日本人の和なのだ。

だから、ちょっと違う感想を自分で感じても、それを言うことが和を乱すことになるから、

って引っ込めちゃう、ってようなことに。

だから、産業利権とつるんだ連中に囲まれておだてられてその気になってしまった、多分

元々は正義と名誉を重んじる素朴な安倍さんの発言を否定する自民党議員はほとんどいな

いんだろう。次の選挙できちんと当選を保証されることが一番のテーマになってる人々に

とっての和はそういうことであって、しらないうちに戦争に巻き込まれたら、今こそ悪の

敵と闘わなくてはいけないのだ、平和のために、ってみんなで言うんだろう。




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