5/25のねこさん       文は田島薫



なかよく昼寝


まだ5月だって言うのに夏みたいに暑い土曜の午後、家人と自転車で食料の買い出

しに行く途中のねこよこちょう入口角の家。そこの飼いねこの黄とらがたまに出て

ることがあるんで、いるかな?って庭をのぞいてみると、いたいた、テラス手前の

縁台の下に向こう向きで寝てるのが見える。

もういっぴきいるよ、って家人、え?どこ?ほら、黄とらの手前に、って。

縁台の手前の足の間に黒っぽいとらが同じように向こう向きで寝転んでいた。

われわれはいつものように、ちょっちょっ、って合図してみたんだけど、どちらも

一向にこっちをふり向く気配がないんで、しばらく試した後立ち去った。


いやいや、あっち〜ね〜、ためじろーが来た時わかるよーに、台の上でがまんして

たんだけど、も〜だめだね、日陰に入んないと死んじゃう、死んじゃうとためじろ

ーに会ってもわかんなくなっちゃうから、この台の下で死んだよ〜に昼寝すっか、

いやいや、すんずしくて、気持つい〜ね〜、うとうと、ってすぐに夢の世界だね〜、

ん?だれか来たか〜?お、ためじろーがやっと帰って来たか〜、あり?ちがうね、

ためじろーじゃないね、だれだっけ?しらね〜やつだぞ、おい、こらっ、って言う

のもめんど〜だね〜、ま、いっか、そっちのはじっこだったら、ゆるす。ためじろ

ーが来た時はこのまん中に入れてやっかな、なんつったりして、うとうと。


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